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慢性腎不全 漢方薬 5(八大治法 2 化湿濁 苦寒瀉熱法)(腎病漢方治療 389報)

2014-06-17 00:15:00 | 慢性腎不全 漢方薬

 

湿邪が蘊結し、慢性化すると化熱し、或いは体内の脾胃が平素熱を帯び、湿熱が相互に蘊結すると、すぐに脾胃の運化は受阻となり、湿熱痰濁中阻を形成します。この時、化湿濁と苦寒泄熱の合用をしなければなりません。臨床で多見されるのは、嘔悪、脘腹張満不欲飲食、口臭、呼気に尿臭、大便秘結或いは不爽、或いは、四肢に浮腫、舌苔は厚膩やや黄少津、脈弦滑等の症候です。<o:p></o:p>

 

方用 化濁飲(かだくいん):醋炙大黄10g 黄芩10g 黄連10g 草果仁15g 藿香15g 蒼朮10g 紫蘇10g 陳皮10g 半夏15g 生姜15g 茵陳蒿15g 甘草10g 水煎服用<o:p></o:p>

 

方中の醋炙大黄10g 黄芩10g 黄連10gは苦寒泄熱、(砂仁草果仁15g 藿香15g 蒼朮10g等は芳香辛開、駆除湿邪に働き、両者の薬剤は相互調済し、既に苦寒が傷胃することも無く、また、辛燥の品の傷陰の弊も無く、湿濁毒熱の邪を除くものになります。<o:p></o:p>

 

弁証にあたり注意すべきは湿熱の軽重であり、熱重の、便秘、口臭、舌苔厚膩の場合には、茵陳蒿、黄連、黄芩、大黄を重用します。黄芩 黄連の合用は心下痞満を除き、脾胃の運化に有利です。<o:p></o:p>

 

但し、湿邪が偏重の場合には、化湿濁の草果仁、半夏、蒼朮、藿香等を重用します。<o:p></o:p>

 

大黄の現代薬理研究:1.攻下泄毒導滞作用は尿毒素の一部分を腸道から体外に消除する;2.活血化瘀作用は腎不全患者の高凝固、高黏状態を改善する;3.糸球体細胞の増生を抑制する作用がある(上皮細胞なのか、メサンギウム細胞なのか、内皮細胞なのかの特定は今のところ確定はされていないようです。);4.人体の必須アミノ酸を維持あるいは増加させる;5.利尿作用を有する;6.腎臓の代償性肥大を抑制する(機能が残存している腎の高負荷、高代謝状態を抑える);7.腎不全時の脂質紊乱を補正する。<o:p></o:p>

 

大黄は慢性腎不全の有効な薬物ですが、弁証を結合させなければなりません。湿熱毒邪が壅結し、痰熱瘀血と弁証される場合であり、適宜使用されれば良好な治療結果をもたらします。大便は1日1~3回に保ち、(過量は不可で)、腸内毒素を排出させ、腸道を清潔に保ち、また血分の熱毒を清し、邪に出口を与え、かつ腎間質の水腫を軽減させ、活血化瘀、芳化湿濁の品を併用すれば、良好な効果を得られます。<o:p></o:p>

 

但し、脾胃寒湿者で、大便溏薄の場合には、湿毒内阻とは言え、また大黄の使用は不可です。(不用意に使用すれば)脾陽虚衰を加重させ、後天の源を障害し、病情の悪化を促進させます。所見は甚だ多く、扱いには注意を要します。<o:p></o:p>

 

化濁飲中の草果仁は方の要薬です。辛開湿濁薬中ではファーストチョイスされるもので、辛温、燥烈、善く脾胃の寒湿を除きます。慢性腎不全の高窒素血症期の湿毒内蘊には、(草果仁の如き)辛温燥烈の品には湿瘀化熱に対処する泄熱開痞の大黄、黄連等の併用配伍が必須です。<o:p></o:p>

 

化濁飲処方の症例については以前の記事をご参照ください。<o:p></o:p>

 

慢性腎不全:http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140103<o:p></o:p>

 

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2014617日(<o:p></o:p>