前方までに、尿路結石は久病であれ、新病であれ、湿熱の邪が終始重要な因素であり、治療は清熱利湿の視点が重要であると共に、調理気血の重要性についてお話しました。本日は尿路結石の治療での攻補兼施論について中医の考え方をご紹介します。<o:p></o:p>
腎気(陽)に最も重きを置きます。その中医学的な根拠は、腎は水を主り、二便(大便と小便)を司ることから、腎は水液調節の枢軸(要かなめ)です。腎陽が旺盛ならば、腎の開合蒸化は乱れることなく、「濁中の清」は肺に上昇し、全身に輸布され、「濁中の濁」は膀胱に下注し体外に排出され、湿熱は蘊結することなく、結石は形成されないと考えます。<o:p></o:p>
若し、腎陽が虚弱になると、腎は開合蒸化の機能を失い、清濁の泌別が悪化し、尿液は下注することが出来ず、沈積し結石となります、この理論から、清利通淋の品を単純に使用するだけでは不十分、或いは不可であり、温補腎気の薬剤を兼施することが必須であり、補を以って通となし、人体の陰陽平衡をもたらし、気化即ち結石の排出が可能となります。<o:p></o:p>
温腎助陽の品は命火を旺盛にし、蒸騰を有力にさせ、水液代謝を復常させ、結石の溶解や排出を加速させると中医は考えます。<o:p></o:p>
この他に、結石の存在部位によって攻補の原則があります。腎内に結石がある場合には、補腎が欠かせず、結石が尿管に存在する場合には、溶石下降を治療原則とします。<o:p></o:p>
今回も簡潔に過ぎたきらいがありますが、以上のような中医論は経験医学の後付理論でもあります。今回は具体的な生薬については言及しません。次回の尿路結石の弁証と弁病相結合にて最終的なマトメにしたいと思います。<o:p></o:p>
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2014年6月11日(水)<o:p></o:p>