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尿路結石症 消堅排石湯(しょうけんはいせきとう)加減による治療 2(腎病漢方治療 373報)

2014-06-01 00:15:00 | 尿路結石症 漢方

 

患者:于某 35歳 男性 初診年月日:1995年7月24日<o:p></o:p>

 

病歴:2年前検診時に、超音波検査で右腎盂に直径2.5mmの小結石を発見されるが、無症状のために放置。1ヶ月前腰痛出現、針で刺されるような痛みで、超音波検査で右腎盂の結石は4~5塊、直径2.95.6mm、右腎盂積液が確認された。西洋治療が奏功無く、ウラリット、ウロカルンを服用するも、効果は無い。<o:p></o:p>

 

初診時所見:頻尿、尿意切迫、双下肢酸軟無力を自覚、尿黄赤、舌苔白やや膩、舌質紫、脈沈滑。尿RBC2530/HPWBC1520/HP<o:p></o:p>

 

中医弁証:腎陽不足 血絡瘀阻 西医診断:右腎結石 右腎積液<o:p></o:p>

 

治法:活血化瘀 利尿痛淋 温腎助陽<o:p></o:p>

 

方薬三棱(活血化瘀)15g 莪朮(活血化瘀)15g 桃仁(活血化瘀 潤腸通便)15g 赤芍(清熱涼血 祛瘀止痛)20g 金銭草(清熱解毒利尿排石、活血散瘀)30g 海金沙(利水通淋)15g 石葦(利水通淋、止咳 涼血止血)15g 皂角刺(解毒活血消瘀)10g 穿山甲(薬用部分はウロコ部分 活血破瘀通経、下乳、消腫排膿5g 王不留行(苦/平 おうふるぎょう 活血化瘀 通経 下乳)30g 玄明粉(=芒硝 泄熱通便 軟堅潤燥 単包、冲服)7g 大黄(活血通腑泄濁)7g 烏薬(温腎散寒 行気止痛)7g 益智仁(温脾開胃摂唾、温腎固精縮尿)20g 桂枝(通陽)15g 橘核(行気散寒止痛)20g 熟地黄(補肝腎養血滋陰、補精益髄)20g 附子(補火助陽 散寒止痛 回陽救逆)10g 威霊仙(袪風除湿、通絡止痛、消痰逐飲、軟堅散結)15g 甘草(調和諸薬)10g 以上水煎服用、毎日2回に分服<o:p></o:p>

 

二診:服薬7剤後、患者は腰痛が顕著に減軽するのを感じ、尿路症状は顕著に改善した。尿検査:RBC58/HPWBC23/HP、体力は明らかに増強した。<o:p></o:p>

 

三診:患者は都合5回再診し、方薬は上方加減を以ってした。計40余剤の服用にて、経過中4塊の排石があり、超音波検査にて結石は消失していたが、まだ積液は存在した。患者は腰酸を自覚し、舌質淡、苔白、脈沈滑、温陽痛絡、清熱利湿法を継続し、積液は除かれた。<o:p></o:p>

 

方薬附子10g 桂枝15g 丹参20g 三棱15g 莪朮15g 鶏内金15g 赤芍15g 牡丹皮15g 石葦15g 白茅根30g 薏苡仁25g 敗醤草30g 金銀花30g 連翹20g 甘草15g 以上水煎服用 毎日1剤。<o:p></o:p>

 

経過:上方服用20余剤、患者の自覚症状は全て除かれ、超音波検査にて腎積液は既に消失、半年後再検し再発は無し。<o:p></o:p>

 

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ドクター康仁の印象<o:p></o:p>

 

本案の方剤は前報372報の消堅排石湯の腎陽不足案の加減になりますが、本案の初診時処方には桃核承気湯の配伍がありますね。破血化瘀の目的だったのでしょう。そして、三診の方薬をよく眺めてみれば、前前報371報の薏苡附子敗醤散加味方になっているのに気が付きます。<o:p></o:p>

 

中医の活血化瘀法はあらゆる場面に使える治療法です。中医の一大特徴とも言えるでしょう。<o:p></o:p>

 

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201461日(日)<o:p></o:p>