趙紹琴氏医案 熱毒熾盛 深入血絡案
尿毒素を減少させ、皮膚の痒みを除き、透析しないで社会復帰させた例
（趙紹琴臨床験案精選より）
患者：陳某 49歳 女性
初診と病歴：
患者自身が述べるに、慢性糸球体腎炎10年余、時がたてば立つほど病情が重くなり、ここ2年で腎不全が発症し、Cre、BUNは日増しに漸増していた。
ここ半月来、皮膚掻痒が悪化し、夜も眠れなかった。精神不振を伴い、嗜睡傾向があり、全身倦怠、両下肢の無力感が最も酷く、心煩急躁、大便干結、小便短少、悪心嘔吐。脈弦滑数、按じると有力で、舌紅苔黄垢厚。
Creは7.4mg/dl、尿素窒素BUN 82mg/dl。西洋医は透析を計画、患者は恐れて、ついに趙氏を受診した。
初診時弁証
証は湿熱蘊鬱成毒、深入血分、まさに関格を成した証
治則：
急いで涼血化瘀解毒の法で治療
処方：
荊芥炭10g 防風6ｇ 白芷6g 生地楡10g 炒槐花10g 丹参10g 茜草10g 焦三仙各10g 地膚子10g 白鮮皮10g 草河車10 大黄3g 7剤
二診：
服薬後大便は通じたが、まだ未暢で、皮膚掻痒は減軽、既に入睡は可能となっていたが、夢が多かった。脈はなおも弦滑数、舌紅苔黄根厚。前方を加減し継続服用。
処方：
荊芥梗10g 防風6ｇ 白芷6g 独活6g生地楡10g 炒槐花10g 丹参10g 茜草10g 赤芍10g 白茅根/芦根各10g 地膚子10g 白鮮皮10g 大黄3g 7剤
三診：
服薬後、大便は暢行、毎日2～3回、腹部は気持ちよく、精神は転佳、嗜睡傾向は消失、皮膚の掻痒は顕著に減軽、脈はまだ弦滑、舌紅苔黄厚。
熱鬱が減じたが、完全には未清であり、清化方法を用いた。飲食寒暖、諸般に注意し、毎日散歩、怠けてはいけない。
処方：
荊芥炭10g 防風6ｇ 白芷6g 独活6g生地楡10g 炒槐花10g 丹参10g 茜草10g 白茅根/芦根各10g 地膚子10g 白鮮皮10g 草河車10g 大黄3g 7剤
四診：
皮膚の掻痒は既に治癒し、二便通暢、食欲改善、食べる量も増えた、毎日散歩２～３時間にて疲労を感じなくなった。Creは4.1ｍｇ/dl、BUNは38mg/dlに減少した。
脈はなお弦滑、按じてやや浮、舌紅苔白。
三焦は暢となったが、欝熱が全部清されたわけではなく、涼血化瘀方法を用いた。
処方：荊芥6g 防風6ｇ 白芷6g 独活