飛び立ってすぐのJTA機。九州は雲の下です。
ついにその日が来た。昨年から復活した蝶採集、今年の冬、ワカサギ釣りのときに共にした「ハマさん」が、沖縄に行くなら私も同行するよ、と。最近は蝶の種類が激減して、近場では限界があるとハマさんに嘆いていた時のことだ。ハマさんは20年前に沖縄に採集行しており、その時の印象が「蝶の楽園」だったというのだ。私も沖縄へは仕事で何度も行ってはいるが、那覇を主にした街中であり、蝶が目的ではなかったから、単に暑かっただけくらいしか覚えていない。今思うと勿体無かった。
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JTA機で福岡空港からハマさんと飛び立ったのが金曜の朝10時。2泊3日の採集行で、目的地は主に沖縄本島北部。ヤンパルクイナが居ると言うまだ開発されていない原生林が多い地域だ。ただ最近は環境条例と云うか、蝶でも絶滅危惧種が指定されており、捕獲が禁止されている場合がある。春の天使、ギフチョウやオオルリシジミなどで、沖縄ではフタオチョウが有名だ。ただ沖縄では素人同然の私達がそれに遭遇することはまず無く、沖縄ではありふれた蝶を採集するのだから、特に問題は無いだろうと思っての計画だった。
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小雨模様の福岡だったが、那覇空港に降り立った時は気温も28度超、真夏を思わせる快晴の天気で汗が瞬く間に噴出した。沖縄は梅雨期であり、梅雨の合間ということだったのだが、悪運が強い!と、その日は有頂天だったのだが・・・。レンタカー会社を私が間違えるというトラブルはあったものの、無事に空港でマーチを借りて、カーナビを頼りに沖縄自動車道を北上した。今日の泊りは国頭村にあるJALプライベートリゾートオクマだ。距離で約90キロあるが名護までは高速だし、時間的にも早いので途中で本部にある八重岳に立ち寄ることにした。ハマさんの言では、20年前にはわんさか蝶が舞っていたというところだ。途中のSAで衣服を着替え、3枚肉そばと云う沖縄のそばを昼食に摂って、準備完了。好天と云うこともあって、車の中からでもツマベニチョウなどが飛んでいるのが見受けられて、大いに気勢が挙がった。
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道路に乱舞しているイシガキチョウ。いつのまにかカメラの自動設定ダイヤルが廻っていて、正しく撮れたのはこの写真が最後。
貴重な写真は全てアウト! がっくりです。
ハマさんの記憶を頼りに八重岳に乗り込み、森の入り口近くで車を停めたのだが、そこにイシガキチョウや種々の蝶が乱舞していたのに圧倒された。何十頭という蝶が小道や道端の花に群がっていたのだ。これを見て私も無我夢中。めぼしいところを数頭GETした。ただ、この蝶たちは最もありふれた普通種で、3日間いやと云うほど見かけた。それでも私には貴重な種類で、八重岳では2時間ほど網と格闘して満足してオクマに向かった。
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ホテルはJALが開発したリゾートビーチにあって、コテージ風だった。ビーチでは水上スキーやボートなどで遊んでいる人も多く、客は日本全国から集まっていると思われた。皆、夏姿の軽装で私達の山歩き姿は珍しいのだろうか、何事なのか不思議そうに見られたのは恥ずかしかった。
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日が沈む夕暮れの海に面した大浴場で汗を流して、さぁ夕食をと、リゾート内のレストランの案内を見ると、ものすごく高い。定食でさえもコース料理で一人1万円はくだらない。アルコールは必須なので、それを勘定に入れると、とても手が出ない。どうするか思案した結果、近くにコンビニがあったことを思い出した。そこで惣菜やビールなどを買って、コテージ内で二人だけで乾杯。その日の成果を見せ合ったり、翌日の計画を相談したりして、大いに盛り上がった。そして、その日は疲れていたのか9時には寝てしまった。翌日は晴れのち曇りという天気予報に安心して。
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