ゆうしゃケン  小心翼翼・平々凡々

団塊世代の技術系サラリーマンだった。引退した今は妻と二人で平和な生活を願いつつ、趣味と独り言でストレス発散

リーダーシップ

2007-11-23 21:27:26 | 紀行

 今週は月曜からずっと現場にいた。天気は良かったけれども、寒気が九州にも押し寄せて、冷たい風が吹いていた。前回記事でも書いたが、私が受注活動した変電設備の総合試験と運用開始の立会い確認だったのだが。

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このお客様とは4年前からの付き合いで、今までわが国でも有数の大手電機メーカーの機器を採用していたのだが、規制緩和の流れが民間企業にも広がったのか、電力会社向けの製品で実績がある我が社への信頼が認められたのか、ここ3年で大きな物件の受注に次ぎ次ぎと成功しており、再来年まで半年刻みで製品を納入することになっている。<o:p></o:p>

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総合試験も問題なく終了して、その日のうちに運用を開始して、万歳!で終わるはずだった。この製品は電力設備としてはごく普通の設備であり、難しい要素もなかったので、私の後継としてI課長に殆どを任せて、私は後見役としていた。I君には昨年にはやはり同じような電力設備を担当させ、今回が2件目だった。これでこの工事を経験すれば、ほぼ一人前だと社の期待を背負っていた。

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I君、忙しい中を設計から工事技術まで実に良く頑張って、今回の運用開始にこじつけた。客先や外注先、社内の関連部門との調整は、私が見ていても良くやったと思う。

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それが、運用開始半日で思わぬトラブルに見舞わされた。負荷が多くなると電源が落ちるというミスなのだ。理由は簡単、家庭で言えば受電リミッターの選択ミスと言う程度のものだ。負荷を多く使用すれば、リミッターが落ちてしまうと言う経験はどこの家庭でもあると思うが、それに似たような、些細なミスが原因だった。

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ただし、それが判ったのは停電事故が発生して、原因を調べた後である。当然、工場が停電したときは、その原因が判らないので電気担当は慌てふためいて、その原因を調べるのだが、大概においてすぐに判明することは少ない。電気系統を診断して異常個所をチェックしてゆくことが必要なのだ。

 

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さて、今回の事故だが、事故は事故として復旧対策にリーダーシップが要るのだ。要するに突発自体にどのように対処するかがリーダーに求められるのだ。

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残念ながら、I君は事故に動転してしまって、的確にどのように調査、確認するかが出来ない気がした。だから、その時点から私がI君とリーダー役を代わって、指示することにした。停電時間は出来る限り短く、2度と停電事故を起こさないように全体を統制・管理する必要があるのだ。またお客様へ事故の内容を技術的に正確に報告しないと不信感を植え付けることにもなる。

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その結果、幸いなことに原因が判明し、すぐに事故復旧ができた。お客様に迷惑を掛けたが、大損害を与える最悪の事態には至らずに済んだ。<o:p></o:p>

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I君も今回の事故でしょげていたが、ふさぎこむことより事象を正確に捉えて、適材適所に適切な人を配置して迅速に緊急対応をやるという現場の行動力の大切さが判ったと思う。また、それより以前に事故が起きないようなチェックの重大さが肝に入ったと思う。これをバネに更なる飛躍を期待したい。

 

私にとっても、反省の多い仕事だった。 I君に「○○は確認したか?」 という報告だけではなく、自分自身の眼で確認しておくべきだった。 重要事項の確認は、何度してもしたりないということはない。 社にとっても、今度の事故は大きなマイナスだが技術部門・検査部門ともそれぞれの担当業務を責任もってやり遂げることが、いかに難しいものか、いかに重要なものか、身をもって体験したことだろう。今後はこの経験が役立つようにしたい。

 

コメント (14)
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