日曜日11時、泊まりに来ていた和音君を迎えに父親のO君がやってきた。夜中に3度ほど眼を覚まして妻の手を煩わしたが、それ以外は私たちになついてくれて、ぐずることもなく楽しい1日だった。O君もその様子を見て、安心したようだった。
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さて、和音君を無事に親に戻して、私たちは街に出かけた。32回目の結婚記念日なのだ。今年はなぜか、妻がしっかりと覚えていて、食事をごちそうしてもらえるものと信じ切っている。私としても、時たま思い出していた年に、ケーキを買ってきてお茶を濁していたくらいなので、たまには食事もいいな、と思っていたところ、何事にも積極的な娘が、ちゃんとフランス料理専門店に予約を入れて設定してくれていた。<o:p></o:p>
店は小倉の銀天街の脇のしゃれた通りにあるビルの一角にあった。女性陣は何度か来たことがあるようだったが、私は初めて。現代的なたたずまいの店だった。<o:p></o:p>
2時間かけてゆったりとフランス料理とワインを味わった。老夫婦にふさわしく、刻がスローに流れていった。 若い頃は精神的にも金銭的にも時間的にも余裕がなく、二人だけでこのような時間を持てるようになったのも、つい最近のことだ。娘たちが嫁いで安心したためでもある。
コース料理。出された順に紹介です。ワインは白、赤2種類を飲みました。<o:p></o:p>
この食事の間、何を話したのか、覚えていない。1週間前のことなので忘れたのもあるが、覚えておくほどのたいした話をしていないのが本当のところだろう。要するに平穏な毎日なのだ。<o:p></o:p>
金婚式まであと18年。ボケ防止の特効薬開発に光明が見えてきたとニュースがあったので、互いに元気で金婚式を迎えられる可能性が高まってきた。もちろん、そのまえに定年離婚という大きなハードルがあるが。 <o:p></o:p>