常日頃から懐古主義の指向現象の盛り上がりは、
けっして明るい未来には繋がらないと考えているわたくしです。
だから、わたくしは絶対に懐古主義者ではないと自負しております。
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Summicron 1:2/35mm Leica M8
軽井沢新棟の初めてのお客様ta_Z8さんが、
こんなクルマに乗ってやって来ました。
ついこの前まで、自動車評論家の吉田 匠氏が所有していたオースティンヒーリー。
懐古主義者ではないはずの私ですが、このマシンの魅力には、すっかり打ちのめされました。
アイリスブルーに塗られた可愛らしい佇まい、現代のどのクルマより味わい深く見えました。
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Summicron 1:2/35mm Leica M8
私の両腕のリーチより遙かに狭い横幅なのに、
男二人で座っても不思議なことに十分と感じられるルーミーさ。
カチカチと決まるストロークの短いスティックシフト。
勇ましいと言えば勇ましいのに、何故か品良く聞こえるエキゾーストサウンド。
ずぅーっと座っていたいような、あるいはずぅーっと前から座っていたような・・・
本当に不思議な感覚。
暫くの時間、助手席に乗せていただいて今更ながら気付かされました。
このヒーリー、古いから懐かしくて良いと感じたわけではない・・・。
素直に単純にクルマとしての出来が良いから、
現代のそんじょそこらのクルマよりも、ずっと楽しいのだということ。
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Photo by Maribali Nikon D3
ta_Z8さんがお帰りになる時には薄暮時になってました。
ルーカス製のタングステン球が灯ると、
アイドリングの不整に伴って、ヘッドライトが僅かに明暗を繰り返しました。
夜目が利かなくなってきた私には、これじゃ大変だ!と思うと同時に、
ある光景が走馬燈のように蘇りました。
30年前の昔、真冬の丹沢の林道で、今はAM RapideオーナーになったK氏と二人で
オフロードバイクを薄暮時に走らせた景色が思い出されたのでありました。
昔のバイクのライトって本当に頼りなかったよなぁ~、
でも若い眼だったから、けっこうちゃんと見えてたっけ。
あれれっ、何だか完全に懐古趣味なってるぞ! (笑)