Hodad(guitar)

2016-01-30 16:22:29 | Dano Guitars
ダンエレクトロのニューモデル「The 64」について、これはモズライトのコピーモデルなのだから、それにダンエレクトロのロゴを冠するべきではなかったと私は思っているわけだが、このモデルに対する様々な反応を見てみると、私と同様に「ダンエレクトロは行くべき道を見失った」というような批判的な反応もあれば、「これはクールだ、ぜひ欲しい」というような好意的な反応もあった。どう感じるかは様々だし、人それぞれでいいと思う。

復活後のダンエレクトロは過去のモデルのリイシューを毎年続けてきたが、当然のことながらそれには限りがあり、実際のところ、ベルズーキを除けば主要なモデルはほぼリイシューされたといってもいいわけだ。メーカーの立場として今後どうするかと考えるならば、いつかはリイシュー路線から脱しなければならないのかもしれない。であるとするならば、2000年頃のダンエレクトロが何をしていたかを振り返ってみることも必要なことなのではないかと思ったりした次第。

その頃のダンエレクトロは過去のモデルにはない新しいものを3種類、世に送り出した。「Hodad」や「Mod6」、そして「Danoblaster」と名付けられたそれらのモデルは、モズライトやフェンダーのデザインを援用しながらも、それをダノライクにデフォルメすることでユニークなモデルとなりえたのであった。その中で「Hodad」はヘッドのデザインがコークボトルに変更されたという違いはありつつも現行モデルとして現在もつくり続けられている。「The64」の擁護派には、ダンエレクトロにはすでに「Hodad」というモズライトコピーがあるわけだし、「The64」のほうがそれよりもコピー精度が高いのだから、むしろそこを評価すべきといった見方もあるようだ。

そんな経緯の中で、先日私は「Hodad」を入手した。





しかしこれは現行モデルではなく、2000年当時につくられたもので、ビグスピータイプのヴィブラート・テールピースが装着されている。改めて見てみると、これは確かに形状こそモズライトのギターだが、ボディトップにジャーマンカーブが施されているというわけでもなければ、独特なピックガードもなく、フラットなボディトップとリップスティック・ピックアップの存在感によって、単なるコピーモデルというよりは、モズライトのようなダンエレクトロのような、その曖昧な境目に絶妙な塩梅でデザインされたものだと私は感じたのである。



このモデルの特徴はハムバッキング化されたリップスティック・ピックアップとコントロール部にある。フロントとリアにそれぞれヴォリュームとトーンが1つずつあるのだが、ノブのトップに貼られているシールの文字を読めばわかるが、トーンノブをひっぱり上げればコイルタップすることができるし、フロントとリアをミックスした場合、フェイズアウトさせたサウンドにもできるのである。また、裏側から見るとジョイント部のヒールがカットされて丸くなっているのがわかる。これでハイポジションがいくらかは弾きやすくなる。



いずれにしろ、ダンエレクトロが今後どんなかたちでニューモデルを出すにしても、ネイサン・ダニエルの思想を忘れないで欲しいと切に思う。


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