素晴らしき日本のエレキ

2015-07-12 23:26:21 | Music Life


ギターに関する本を見つければ、とりあえず手に取ってみるくらいのことはしておきたい。それが日本製ギターの本となればなおさらだ。というわけで、今回入手したのは「The History of Japanese Guitars」という本で、著者はフランク・マイヤーズというアメリカ人。「だのじゃん」的には「Drowning in Guitars!」の人ということになるのだが、彼は15年の歳月をかけて、地方のギターショップやアンティーク・ショップを回って手に入れた400本ほどのギターについて研究を重ねたという。そのサイトからも溢れ出ていた彼の日本製ギターへの耽溺ぶりがこうして一冊の本にまとまったというわけだ。

歴史的記述としては、日本エレキギターの草創期に大きく関わった人物(森岡一夫、松田童龍、松木三男など)についてや、ハワイアンからロカビリー、ロックンロールへという音楽的流行の変遷についてや、エレキブーム時のデータ的なものなどがあるが、松本や名古屋、浜松といった生産地について言及されているところは面白いと思う。

そしてこの本の大半を占めるのが当時の主要メーカーごとにまとめられたギターとカタログの画像なのだが、巻頭の謝辞を見ると、このあたりの資料を提供したのが、ビザールギターファンならだれでも知っているあのサイト、このサイトの人たちだったりするのである。

例えばこのページには、フランク・マイヤーズがこの本の取材のため来日したときの様子が記されている。

そのほか、ピックアップの画像がこれもまたメーカーごとにまとめられて掲載されていたり、当時の日本のギター販売の会社のリストが掲載されていたりするが、このあたりについてはあまりにも混沌としていてなかなか全容がつかめないこともあり、それゆえに本書の資料的価値を高めているように思う。

ちなみに、河合楽器の項目のところに、Coralのロングホーンモデルの写真が掲載されているが、ここはやはり「だのじゃん」的にはずせないところ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする