Epiphone Century

2014-10-26 20:08:56 | Other Amps


エピフォンのアンプが届いた。注文したのは6月だったが、今頃になって納品されたのは例によって日本での発売が延期となったからだ。こうしたことはよくあることなので気にもしていなかったら何度か楽器店から意思確認の電話が来ていたらしく、変わらず購入意欲が漲っていることを慌ててメールで伝えた次第。

このアンプはエピフォンが1930年代に製作したもののリイシュー。オリジナルは1932年にリッケンバッカーが生み出した史上初のエレクトリック・ラップスティールである「フライング・パン」に対抗してエピフォンが開発した「エレクター・シリーズ」の一環だ。12インチのスピーカーを搭載し、プッシュ/プルの回路が採用されたアンプで、そのキャビネットは同年代のいわゆるカテドラル型ラジオのようでもあり、金属製のバーハンドルやアルファベットの「E」をモチーフとしたグリル部の装飾など、当時流行していたアール・デコ調のデザインを特徴としている。とりわけグリル部を斜行する電光や稲妻を連想させるジグザグ文様はスピードと躍動感を表す、アール・デコの象徴的なモチーフなのだ。蛇足ながら初期のフェンダーロゴにも稲妻が走っていたことを付け加えておく。

私がなぜこのアンプを手に入れたかったのかといえば、以前記事にしたように、ダンエレクトロの創業者ネイサン・ダニエルが若い頃に製作したアンプだからで、メーカーこそダンエレクトロではないながらも「だのじゃん」的に重要な意味を持つアンプだからなのだが、75周年記念とはいえ、このタイミングでのリイシューは、昨今のギター業界のレトロスペクティヴな傾向がアンプにも及んで、マグナトーンやスプロといった往年のアンプがリイシューされているここ数年の状況を踏まえてのことと見ることができるだろう。

往年のアンプをリイシューといっても、当時の部品は今では入手できなくなっていたり、あるいは法的に使用できなくなっていたりするのでまったく同じようにつくるというわけにはいかない。エピフォンのリイシューも同様で、外観こそオリジナルに忠実だが中身は現代的な仕様になっている。真空管はプリ管に12AX7、パワー管に6V6が使われ、ヴォリュームノブを引っ張るとブーストされるとか、BRIGHT、NORMAL、DARKの3種類のインプットジャックがついているとか、当時とは違う機能が組み込まれている。サイズは高さが38㎝、幅が34.5㎝、奥行きが11.1㎝となっている。
コメント (2)
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