Silvertone 1375

2011-05-01 21:26:42 | Dano Guitars
2008年11月に「始まりのギター」というタイトルの記事でSilvertoneの1377の画像を使っているが、1375はその1ピックアップ・モデル。



もともとアンプメーカーとしてシルバートーン・ブランドにアンプを提供していたダンエレクトロが通販用の廉価なギターの開発をシアーズから依頼されたのが1954年のこと。フェンダーがストラトキャスターを世に送り出した年にダンエレクトロがつくったギターは、ソリッド・ボディのエレクトリック・ギターをとりあえずつくってみました、といった感じの、まだまだ洗練には程遠いデザインのものだった。ボディにはポプラが使われ、オリジナルはそのボディを人工皮革で覆ったものだったが、私が入手したものは革が取り去られ、その代わりにブラウンに塗装されてしまった。



このダンエレクトロ最初のギターにはまだリップスティック・ピックアップが採用されていなかったとか、しかしながらすでに金属プレートと木製サドルを組み合わせたブリッジの構造は確立されていたとかいったことは、以前にも何度か書いてきた。今回、現物を手に入れてわかったことは、ネックの太さである。ネックは三層構造で両側にRがつけられてはいるものの、真ん中は平らになっていて、かまぼこというよりは台形に近い。そのためか握った感じは角材を握っているような感じ。当然弾きにくいのだが、その形状のわりには案外弾けるものだな、といった感じでもある。

その他の部分については、ヘッドの付き板やピックガードは薄いプラスティックが使用されていて、経年変化で伸び縮みや歪みが激しい。また、アンプにつなぐとノイズが大きいので、トグルスイッチとブリッジのネジを余った弦でつないで、とりあえず簡易な弦アースを取った。

音は意外によい。このギターをつくってから2年後、ダンエレクトロはUシリーズを生み出し、ギター開発は実を結ぶことになる。

いずれにしても、ダンエレクトロのギターを集めるようになり、その歴史などにも関心を持つようになった私としては、ダンエレクトロ最初のギターのひとつである Silvertone 1375 は手に入れたかったものであったし、それをフルオリではないながらも今回手に入れることができたのはとても嬉しいことなのである。
コメント (2)
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