勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

利休鼠

2007-06-23 01:15:23 | Weblog
 東京地方は梅雨入り発表当日の雨以来、一週間ぶりの雨になった。しかし降ったり止んだりの雨は、宵の口には上がり、梅雨空は長続きしないようだ。


-城ヶ島の雨-

雨はふるふる 城ヶ島の磯に
利休鼠の 雨がふる

雨は真珠か 夜明けの霧か
それともわたしの 忍び泣き

舟はゆくゆく 通り矢のはなを
濡れて帆上げた ぬしの舟
ええ 舟は櫓でやる 櫓は唄でやる
唄は船頭さんの 心意気

雨はふるふる 日はうす曇る
舟はゆくゆく 帆がかすむ

-北原白秋・作詞  梁田 貞(やなだ ただし)・作曲-
 蓮の葉が繁る不忍池の雨は、池のキャンパスに美しい波紋を描き、「雨は真珠か 夜明けの霧か それとも私の しのび泣き」と歌っていた。白秋が詠った利休鼠の雨 とは、こんな色の雨をいうのだろうか?
 仕事仲間に「城ヶ島の雨」の話をすると、この歌を知らないし、聞いたこともないという。彼は40代半ばを過ぎている。「えっ!嘘だろう?」、「バラ色」のときと同じ言葉を叫んだ。側にいた彼と同年代の仲間にも聞いた。やはり知らないという。僕にとってこの城ヶ島の雨は、日本人なら誰でも知っている歌だと思っていた。アルバイトの大学生にも聞いてみたが、当然のことながら、誰も知らなかった。ちなみに、僕と同世代の人はほとんどが知っていた。
 先日の「バラ色」についてもそうだが、どうも僕には思い込みがあるようだ。その思い込みには、世代のギャップと、自分がいかに若い人を理解していないかを思い知らされる。