勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

て・に・を・は

2007-06-22 01:57:27 | Weblog


知床の岬に はまなすの咲く頃
思い出しておくれ 俺達のことを
飲んで騒いで 丘に登れば
はるか国後(くなしり)に 白夜は明ける


♪♪
旅の情けか 酔うほどに さまよい
浜に出てみれば 月は照る波の上(え)
今宵こそ君を 抱きしめんと
岩影に寄れば ピリカが笑う

 知床旅情にも歌われたハマナスの花。茄子ではなく、実が梨に似ていて、海岸の砂地を好んで生育することから「なし」がなまって「なす」となり、「ハマナス」と名がついたという。日本では北海道に多く見られるらしい。

♪♪♪
別れの日は来た 羅臼(らうす)の村にも
君は出て行く 峠を越えて
忘れちゃ嫌だよ 気まぐれ烏(カラス)さん
私を泣かすな 白いカモメを
白いカモメを

 森繁久弥さんが作詞・作曲したこの歌、原題は「さらば羅臼」というそうだが、加藤登紀子さんが「知床旅情」というタイトルで歌いヒットした。このとき3番の歌詞の最後のフレーズを、はじめは「白いカモメよ」と歌っていた。僕の持っているCDでは、そう歌っている。ところが原詩は「白いカモメを」だったらしい。

 「よ」「を」のたった一字の違いで、この歌の意味はまったく違ってしまう。「白いカモメよ」と歌うと、“私を泣かすな”の「私」は白いカモメに問いかけている“カラス”のことに取れる。しかし気まぐれなカラスさんが、白いカモメに「私を泣かすな」はないだろう。
やはり気まぐれなカラスさんに、白いカモメが「私を泣かさないでください、この白いカモメの私を・・・」というほうが納得がいく。加藤登紀子さんは後に「白いカモメを」と歌っている。

 助詞の使い方一つで意味が大きく違うことが面白い。犬が人に噛みついてもニュースにはならないが、犬に人が噛みついたらニュースだ、とはよく言われることだが、勿忘草が暴言を吐いた人に噛みついたら、誰か手助けしてください。勿忘草が暴言を吐いたら、誰か噛みついて下さい。

 我がブログの友「禰里吉さん」の話によると、口から+(プラス)も-(マイナス)も出すと「吐く」になり、+(プラス)だけを出すと「叶う」になるそうだ。