勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

沙羅双樹

2007-06-18 00:27:16 | Weblog
ふと見上げた夏の空に真っ白な花。   

椿・・・?
 椿は木偏に春と書くが今は夏。この花、沙羅双樹といわれることもあるらしいが、本当はナツツバキというそうだ。

 釈迦の病床の四方に二本ずつ対峙して生えていたという沙羅の木、だから沙羅双樹。釈迦が入滅したとき、鶴のように白く枯れ変じたという。(大辞林)

 沙羅双樹は日本の気候では育たないという。ナツツバキがこの沙羅双樹に似ていることから、沙羅の木と呼ばれるようになったとか。


祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理(ことわり)をあらはす
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ

-平家物語(巻第一・祇園精舎)より-


『やき場と田んぼ』
-ある日のYさんのことば-

相田さんなぁ
おれんちのたんぼはさ
あのやき場(火葬場)の裏にあるだんべ
だからさ たんぼにいるとね
必ずやき場の煙を見るんだな
そのたびにさ 思うんだよ
「ああ 今日もだれかが焼かれているな・・・」
ってさ

やき場の垣根のすぐそばで
稲刈りなんかしてるとさ
家族の泣き声なんか聞こえてくる
ことがあるんだな
そん時さぁ
おれ つくづく考えちゃうんだな
人間死ぬときには
なんにも持ってゆけないッてことをさ
どんな財産だって地位だってよ
可愛い女房子供だって
みんな置いてゆかなきゃあ
ならねんだもんな

おらあなぁ
やき場の裏にたんぼ持ってるおかげで
人生観が変わったな

人間にとって
何が一番大事かッてことがさ
やき場の煙り見るたびに
教えられるんだなぁ

相田さんよぉ
人間生きているうちに
少しでも人のために
いいことしておくことだなぁ

日頃明るいYさんが
やき場の煙突を見ながら
ある日 しみじみともらしたことばです

-相田みつをさん-


◇なつつばき◇

空を飛ぶ鳥も白い花も
いつか土に帰る
火も灰も水もごみも
すべて受け止め
沁み込ませる土

土の上に私は立っている 
うじ虫と花の種を宿す
土の上に生きている

-星野富弘さん-