小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ベンブレース・ブレークニーの論理

2014-08-09 21:59:00 | 政治
東京裁判を、国際法に違反していると、批判し、日本を弁護したアメリカ人弁護人のベンブレース・ブレークニーの論理は、一聞すると、全く正しいように思ってしまう。

事後法の禁止、遡及処罰の禁止、法律不遡及の原則であり、これは、日本では、憲法第39条で規定されている。

しかし物事は柔軟に考えなくてはならない。考えない人間は、簡単に他人の思考に洗脳されてしまうだけである。

罪というものは、その時(行為が行われた時)の法律によって、裁かれなければならない。それは法治国家として当然のことである。

しかしである。その当時の法律が、人間の良心に照らし合わせて見て、間違ったものであったり、欠陥のあるものであったりした場合、それでも、遡及処罰の禁止を、例外なく、お題目のように主張するのが、はたして正しいことだろうか。

もちろん東京裁判は、戦勝国であるアメリカの、法律不遡及の原則を破った、一方的な、裁判であるが。

しかし一般論として考えると、法律不遡及の原則は、絶対、守らねばならない金科玉条ではない。

罪と、それに対する罰というものは、人間の、偽りのない良心によって決められるべきものである。それは、行為の当時とか事後とかの時間とは関係なく、時間を超越した普遍的なものであるべきであるはずである。

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