小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ブルース・リーの「流派」批判文

2010-01-25 23:02:33 | 武道・スポーツ
ブルース・リーも、流派というものが陥りやすい欠点を批判している。ブルース・リーの文を一部、抜粋しておこう。

「残念ながら武道を学ぶ者の大半は体制順応派である。表現のために自分を頼るということを学ぶ代わりに、盲目的に師に従い、もはや一人では感じられなくなり、集団模倣に安心感を見出すのだ。この模倣の結果は依存する心である。純粋な理解に欠くことのできない個々の探求は犠牲となってしまう。武道の世界をみわたしてみたまえ。お定まりの技しか見せない者。芸当を演じて見せる者。鈍感になってしまったロボット。過去の栄光ばかりを讃える者。そんな者達がさまざまいるばかり。みんな体系化された失望の信奉者か唱道者である。最も残念なのは、まじめな生徒がこうした模倣的な訓練を熱心に繰り返し、己の悲鳴や心の叫びを聞いている姿を目にすることだ。たいていの場合、こうした先生たちが生徒に呈示する方法は非常に複雑なので、生徒はとてつもない関心を払わねばならず、徐々に目的がぼやけてきてしまうのだ。彼らはやがて、現実に応じるというよりは単なる条件反射として、方法論的なお定まりの手順を演じるようになる。そうなったらもう四囲の状況に耳を傾けない。同じ状況を繰り返すばかりである。この気の毒な人たちは、古典的な武道訓練の悪影響の罠に、うかうかとはまってしまったのだ」
(ブルース・リー「ブルース・リー・メモリアル」)
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