活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

新帰元 (しんきげん)

2015年11月17日 | 仏教
お葬式の時に、ご戒名の上に「新帰元」という言葉が書かれています。

「新帰元」とは、新しく元に帰るという意味です。

万物を構成している根本である四大 (しだい) 〈地・水・火・風〉 に帰るということです。


もともと実体のないものが「地 」(固いもの)、「水」(湿気を含んだもの)、「火」(熱を含んだもの)、「風」(動くもの) という縁によって、たまたま人となり、あるいは鳥となり、様々な生物や物質になっているだけなのです。

私達衆生は、もともと万物と一体となっていて、「分かれながら一つのもの」であり、一つのものが様々な相 (すがた) になっているのにすぎないのです。


元に帰るとは、人間的な機能がなくなったという事ではありません。

万物は時々刻々変化していますから、【いつも元に帰る】ということが繰り返されているのです。


自分が死んだということも、自分が生まれたということも、自分では分かりません。

生まれたことも知らない、死んだことも知らない、【縁起】が “あるだけ” なのです。

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