活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

彼岸について1

2023年03月26日 | 仏教

彼岸とは仏教語です。

 

広辞苑によれば、「ひがん〔彼岸〕(仏)河の向こう岸、生死の海を渡って到達する終局、理想・悟りの世界、涅槃⇔此岸(しがん)」と記されています。

 

しかし、こちらの岸(此岸)と彼の岸(彼岸)というものを立てることは間違いです。

 

彼岸とは正しくは「到彼岸、事究竟(とうひがん、じくぎょう)」といいます。

 

「事究竟」とは、「事がそれで終わっている」ということです。

 

本来、私たちの日常生活は「事がそれで終わっている」という事でないと本当ではありません。

 

「自分はまだ未熟だ」という人がよくいますが、本来その人は「未熟のままで終わっている」のです。

 

「未熟だから完成させよう」と考えるのは間違いです。

 

みんなそれぞれに一杯一杯なのです。

 

しかし私たちは理屈では分かっていても、「事実」がなかなか伴わないものです。

 

そこで止むを得ず修行する必要があるのです。

 

「修行する」ということは「傷をつける」ということです。

 

本来、傷がつくべきものではないのに、自ら傷をつけて修行するのです。

 

もう一度言います。

 

「止むを得ず」修行しなければ「彼岸」の真意は分かりません。


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