活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

般若心経を考える 5

2016年01月09日 | 般若心経

「遠離(おんり)一切顚倒(てんどう)夢想 究竟(くぎょう)涅槃」

の二句ですが、一般的な和訓は、

「一切顚倒夢想を遠離して、涅槃を究竟す」

としています。

 

しかし、句上から見ればこの振り仮名は違います。

「遠離 ス   一切顚倒夢想究竟涅槃 ヲ」です。

 

つまり、

「一切顚倒夢想究竟涅槃を遠離す」

なのです。

 

禅語では、

「生死涅槃猶如昨夢 (しょうじ ねはん なお さくむのごとし」

と言っています。

すでに、「空」の中にあって、「空」とは何かと問うようなものです。

 

修證義(しゅしょうぎ)には、

「生を明らめ 死を明らむるは 仏家(ぶっけ)一大事の因縁なり 生死の中に仏あれば生死なし 但(ただ)生死即ち涅槃と心得て 生死として 厭(いと)うべきもなく 涅槃として欣(ねが)うべきもなし」

と、はっきりお示しになっております。


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