おシャカ様は長い間苦しみながら坐っておられて、或る夜明けの明星をご覧になった時、「星の光と一つ」に成られたのです。
「一つ」ということは相手が有(在)りませんから、それを光と感じた自分も無ければ、光その物も無くなったのです。
「無くなったままに無くなったということが自覚出来た」のです。
その一瞬「観念もまた法だということをお悟りに成られた」のです。
「分かった」ということが全てに成り、何一つとして分からないことが無くなったのです。
俗に言う「分からないということさえも分かった」のです。
自分自身を発見する、目醒めるということはそういうことです。
「事実」と私たち衆生が後天的に得た「人間的な観念(知識)」との間には、天地隔たる相違があるということに気が付かないために、私たち衆生は些細なことにも、また社会の様相にも迷い、疑問に思うのです。