活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

冷暖自知1

2018年04月28日 | 法理

「火は熱い、水は冷たい」というお示しがあります。


「火は熱い」と言っても、唇は焼けません。

喉が渇いた時に、「水」と言っても喉の渇きはいやされません。


何故なのでしょうか。

それは「事実」と「言葉」の間に大きなズレがあるからです。


「冷暖自知」というお示しがあります。

その中の「自知」という言葉は、自分がものを知るということではありません。


水の中に手を入れれば冷たいと思います。

しかし、自らが「水・そのもの」に成れば「水」は冷たいものでも熱いものでも

ないということなのです。


「火」も同じです。


私たち衆生は、いつでも後から認識したことを「事実」のように思ってしまうのです。

しかし、「今の事実(法・道)」と「言葉(教え)」の間にはズレが存在するのです。