「火は熱い、水は冷たい」というお示しがあります。
「火は熱い」と言っても、唇は焼けません。
喉が渇いた時に、「水」と言っても喉の渇きはいやされません。
何故なのでしょうか。
それは「事実」と「言葉」の間に大きなズレがあるからです。
「冷暖自知」というお示しがあります。
その中の「自知」という言葉は、自分がものを知るということではありません。
水の中に手を入れれば冷たいと思います。
しかし、自らが「水・そのもの」に成れば「水」は冷たいものでも熱いものでも
ないということなのです。
「火」も同じです。
私たち衆生は、いつでも後から認識したことを「事実」のように思ってしまうのです。
しかし、「今の事実(法・道)」と「言葉(教え)」の間にはズレが存在するのです。