夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

「鳥取藩池田家三十二万石」展

2016-01-29 21:58:02 | 日記
先日、境港で、マルマスでの昼食会のときに、古文書の会の代表の方から、
「岡山に行くなら、ぜひ岡山県立博物館に寄ってください。今、鳥取と岡山の文化交流事業で、鳥取池田藩に関する展覧会が始まったばかりです。鳥取県立博物館所蔵の大きな「因幡国絵図」や「伯耆国絵図」も展示していますよ。」
と勧められたので、岡山に行ったついでに早速見てきた。


岡山藩と鳥取藩の池田家は同じ池田輝政から分かれ、鳥取藩主だった池田光政が、親戚の池田光仲と領地を交換して岡山に入り、それぞれの子孫が明治維新まで続く。
今回の展示では、鳥取藩池田家の歴代藩主の肖像画やゆかりの古文書、武具などの他、米子城や鳥取城の絵図などもあった。(後者は複製品)。

個人的に興味深かったのは、藩主やその夫人などの和歌短冊や色紙。
四代藩主・池田宗泰の和歌短冊には、

  秋の野の萩のにしきを其のままに鹿の音(ね)ながらうつしてもがな

十一代藩主・慶栄の夫人、宝隆院の和歌色紙には、

  和歌の浦の芦辺の田鶴(たづ)も幾千代かかよひてすまん庭の池水

とあった。


今回は時間不足で、ほとんど駆け足で見るだけとなってしまったので、会期中にまた岡山を訪れる機会があれば、ぜひもう一度観に行きたい。