陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

民主党大勝に関する英国有力紙の論評

2009-09-01 22:48:29 | 国内政治:議会と政党
 今回の衆議院選の結果に関し、英国有力紙の見方を産経 Web が紹介している。フィナンシャル・タイムス紙は、政官財界による鉄の三角形が崩れたと捉えるが、二大政党による政権交代は定着していないと述べている。

 タイムス紙は、「鳩山代表は傀儡に過ぎず、小沢代表代行が権力を握り、自民党との大連立を目指す可能性がある」と指摘。私も比較的近い将来に、そうなるのではないかと予想する。

 小沢氏は、この所沈黙しているけれども、自由党時代には熱烈な自主憲法制定論者であった。民主党内の小沢グループ勢力は180人を越えたと思われる。自民党が維持した<吉田ドクトリン>から解放されるために、彼は自民党の有志と連携して、2年前の大連立構想を実行するかも知れない。

 ここで紹介する英国紙の論調では、日本の国防・外交がどのように変わるかとの予測を避けているようだ。

【海外の目09衆院選】英紙「昨日の大勝、明日の幻滅に…」
2009.9.1 19:48

 【ロンドン=木村正人】「1955年体制」といわれる自民党支配に終止符が打たれた日本の衆院選について、英紙は「日本の新時代に日は昇る」「政官財界の鉄の三角形が崩れた」(フィナンシャル・タイムズ紙)と評価する一方で、「日本の政治は新しい夜明けを迎えたが、昨日の地滑り的勝利は結局は明日の幻滅に終わることもある」(ガーディアン紙)と辛口の論評を掲載した。

 日本ウォッチャーとして定評があるフィナンシャル・タイムズ紙アジア地域編集長(前東京特派員)、デイビッド・ピリング氏は2日連続で論評を掲載した。

 1日付の論評「原理原則なき政治集団」では、87年に軍事政権が終わった韓国や、2000年に中国国民党から民主進歩党に政権が交代した台湾と比較。日本でも民主党が自民党から政権を奪取し「われわれは韓国や台湾に追いついた」との元官僚の言葉を引用した。

 しかし、日本の政党は原理原則がはっきりせず、国の将来像を描く政策立案能力を欠いており、二大政党による政権交代が定着するには時間を要するだろうと分析。民主党が社会民主主義的な政党に、自民党が保守的な別の選択肢となる方向性を描いてみせた。

 氏は31日付でも「有権者は別の方法で現状維持を試みたようだ。真の確信も、社会を変革しようという意思もなかった」と述べ、日本の有権者は今回、戦後政治秩序を拒絶したにすぎないとの見方を示した。

 これに対し、1日付のタイムズ紙は「日本はもう何年も変化を求めていた」と題し、この流れに逆らった自民党が疲れ切って敗北したと分析、「民主党は曲折はあるものの、変化を求める流れに乗るだろう」と予測した。同紙は31日付の社説で「民主主義が勝った」と称賛したが、「民主党は財政支出を削減し、消費税は上げないと主張する一方、農業支援、社会福祉拡充を掲げるが、財政均衡を維持しつつ政策を実現するのは困難」と指摘した。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、民主党内で圧倒的勢力を得た小沢一郎代表代行を、かつて自民党を影から支配した田中角栄元首相になぞらえて「闇将軍」と表現し、「すべての関心が独裁的な戦略家に集まっている」と警戒感を示した。次期首相の鳩山由紀夫代表が小沢氏の意向に従わざるを得ないとの見方を伝え、小沢氏が今後、自民党との大連立を仕掛け、政界再編に動く可能性も示唆した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090901/elc0909011951013-n1.htm
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