新しい国家が、今日の2月17日午後11時頃に誕生する。国家には、領土、国民の意思、統治機構が必要だが、コソボは統治機構の弱さを除きそれらを満足している。加えて、その独立、つまり国家としての存在を他国が認めることが必要だ。既に100ヶ国以上が承認するとの情報もあり、日本も早期に承認する見通しである。新国家は、アルバニア人が88%と単一民族構成に近い。
私は、100年以上もかけて、住民が独立を待ち望んだコソボ共和国の誕生を心からお祝いしたい。毎日新聞が、現地での緊張と悦びに満ちた前夜風景を伝えている。
コソボ:独立宣言採択へ…17日本会議で 首相も確認
【プリシュティナ(コソボ自治州)小谷守彦】セルビア共和国コソボ自治州の地元紙は16日、自治州議会が17日午後3時(日本時間同11時)から本会議を開き、独立宣言を採択すると一斉に報じた。AFP通信によるとサチ自治政府首相も16日、「明日はコソボ市民の意志を実現する日になる」と一部報道陣に述べ、17日の独立宣言を事実上確認した。
コソボの独立にはセルビアやロシアが強く反発しているが、米国や欧州連合(EU)の大半の加盟国は独立宣言の直後に国家承認に動くとみられる。
地元紙によると、サチ首相は17日午前11時に特別議会の開会を要求。午後3時開会の本会議で独立宣言が可決される。同6時半に大統領と首相、議会議長が市内で開く式典で市民に独立を宣言し、その場で新国旗が披露されるという。
国旗や国歌は現時点で明らかにされていないが、夜の式典ではコソボ・フィルハーモニーが「歓喜の歌」を演奏する。
サチ首相は15日の会見で独立宣言の日程を明らかにしなかったが、閣僚には16、17の両日に出勤し職場待機するよう命じていた。
自治州議員らによると、独立宣言の採択には議員120人のうちアルバニア系の100人と非セルビア系少数民族の9人が賛成票を投じる見通し。残る11人のセルビア系議員は棄権するとみられる。
独立への期待が高まる中、州都プリシュティナには、99年のコソボ紛争などで海外に逃れた大勢のアルバニア系住民らが、独立を祝うため里帰りしている。中心部は「普段の約2倍」(地元民)の人々で大にぎわいだ。15日夕からは商店や自動車、路線バスにアルバニア民族の象徴とされるアルバニア国旗(赤地に黒の双頭のワシ)が掲げられている。
今月1日から「独立の日」まで宿泊料を2割引きにしているホテル経営者メヒヤさん(50)は「独立はアルバニア人である父、祖父の代から100年も待ち続けてきた。みんなで独立を祝いたい」と高まる気持ちを抑えきれない様子だった。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080217k0000m030065000c.html
最近の選挙で、セルビア国大統領には親欧米派のダディッチ氏が選ばれたが、立場上コソボ独立には厳しい発言をしなければならないだろう。同大統領はコソボ独立に警告を発しているし、セルビアが早期にEU加盟出来れば、問題は解決するとも発言している。
そのような事から、ポーズだけでも国境にセルビア軍を配置する事は大いにあり得る。だが、コソボ承認国数が増えれば、武力侵攻を阻止出来るだろう。当然、露西亜が背後から各国のコソボ共和国承認に干渉する可能性は濃厚である。[ユーゴスラビア軍(セルビア+モンテネグロ)としていましたが、モンテネグロは2006年6月に独立、ユーゴ連邦は事実上消滅しました。間違った記述をしたので、本文のように書き換えました]
アルバニアのベリシャ首相が2月4日に来日、翌日福田首相を始め政府要人と会談している。ベリシャ首相の訪問は、コソボ独立に関し日本からの承認を促すと共に、G8議長国としてバルカン地域の政治的安定へ積極敵に寄与することを求めたものだ。我が国外務省は、その方向で検討を行っているとの事。
国家統治機構には、政治体制に基いて国防、外交、財政の3要素が必要だが、コソボには国軍は無いし(規模の小さな防衛隊のみ)、有力な資源や経済を支える技術も無いから財政は弱い。無い々々尽くしの上、隣国アルバニアも、さして豊かな国ではない故、周辺諸国が財政面で支えて行かねばならない。
このような新興国に、我が国がODAを通じてインフラ支援をすることが望まれる。コソボ自治領は、90年代末の悲惨な紛争で、道路、送電系、工場群、宗教施設などが徹底的に破壊されたままなのだから。傲慢かつ横暴な隣国に、年間600億円ものODA供与するより、その事は国民から余程納得が得られるだろう。
(参考)
コソボ自治州の独立宣言が迫る
私は、100年以上もかけて、住民が独立を待ち望んだコソボ共和国の誕生を心からお祝いしたい。毎日新聞が、現地での緊張と悦びに満ちた前夜風景を伝えている。
コソボ:独立宣言採択へ…17日本会議で 首相も確認
【プリシュティナ(コソボ自治州)小谷守彦】セルビア共和国コソボ自治州の地元紙は16日、自治州議会が17日午後3時(日本時間同11時)から本会議を開き、独立宣言を採択すると一斉に報じた。AFP通信によるとサチ自治政府首相も16日、「明日はコソボ市民の意志を実現する日になる」と一部報道陣に述べ、17日の独立宣言を事実上確認した。
コソボの独立にはセルビアやロシアが強く反発しているが、米国や欧州連合(EU)の大半の加盟国は独立宣言の直後に国家承認に動くとみられる。
地元紙によると、サチ首相は17日午前11時に特別議会の開会を要求。午後3時開会の本会議で独立宣言が可決される。同6時半に大統領と首相、議会議長が市内で開く式典で市民に独立を宣言し、その場で新国旗が披露されるという。
国旗や国歌は現時点で明らかにされていないが、夜の式典ではコソボ・フィルハーモニーが「歓喜の歌」を演奏する。
サチ首相は15日の会見で独立宣言の日程を明らかにしなかったが、閣僚には16、17の両日に出勤し職場待機するよう命じていた。
自治州議員らによると、独立宣言の採択には議員120人のうちアルバニア系の100人と非セルビア系少数民族の9人が賛成票を投じる見通し。残る11人のセルビア系議員は棄権するとみられる。
独立への期待が高まる中、州都プリシュティナには、99年のコソボ紛争などで海外に逃れた大勢のアルバニア系住民らが、独立を祝うため里帰りしている。中心部は「普段の約2倍」(地元民)の人々で大にぎわいだ。15日夕からは商店や自動車、路線バスにアルバニア民族の象徴とされるアルバニア国旗(赤地に黒の双頭のワシ)が掲げられている。
今月1日から「独立の日」まで宿泊料を2割引きにしているホテル経営者メヒヤさん(50)は「独立はアルバニア人である父、祖父の代から100年も待ち続けてきた。みんなで独立を祝いたい」と高まる気持ちを抑えきれない様子だった。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080217k0000m030065000c.html
最近の選挙で、セルビア国大統領には親欧米派のダディッチ氏が選ばれたが、立場上コソボ独立には厳しい発言をしなければならないだろう。同大統領はコソボ独立に警告を発しているし、セルビアが早期にEU加盟出来れば、問題は解決するとも発言している。
そのような事から、ポーズだけでも国境にセルビア軍を配置する事は大いにあり得る。だが、コソボ承認国数が増えれば、武力侵攻を阻止出来るだろう。当然、露西亜が背後から各国のコソボ共和国承認に干渉する可能性は濃厚である。[ユーゴスラビア軍(セルビア+モンテネグロ)としていましたが、モンテネグロは2006年6月に独立、ユーゴ連邦は事実上消滅しました。間違った記述をしたので、本文のように書き換えました]
アルバニアのベリシャ首相が2月4日に来日、翌日福田首相を始め政府要人と会談している。ベリシャ首相の訪問は、コソボ独立に関し日本からの承認を促すと共に、G8議長国としてバルカン地域の政治的安定へ積極敵に寄与することを求めたものだ。我が国外務省は、その方向で検討を行っているとの事。
国家統治機構には、政治体制に基いて国防、外交、財政の3要素が必要だが、コソボには国軍は無いし(規模の小さな防衛隊のみ)、有力な資源や経済を支える技術も無いから財政は弱い。無い々々尽くしの上、隣国アルバニアも、さして豊かな国ではない故、周辺諸国が財政面で支えて行かねばならない。
このような新興国に、我が国がODAを通じてインフラ支援をすることが望まれる。コソボ自治領は、90年代末の悲惨な紛争で、道路、送電系、工場群、宗教施設などが徹底的に破壊されたままなのだから。傲慢かつ横暴な隣国に、年間600億円ものODA供与するより、その事は国民から余程納得が得られるだろう。
(参考)
コソボ自治州の独立宣言が迫る
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