陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

巧言令色鮮矣仁:鳩山首相へ与える言葉

2009-12-26 06:56:20 | 国内政治:内閣
 クリスマス・イブの12月24日午後6時、鳩山首相は元秘書の送検と言う厳しい事態を迎えて、都内某ホテルで記者会見、国民に謝罪した。興味深いのは、首相としてではなく、一衆議院議員として説明したいとの記者会見であり、議員バッジを外していた。

 何とも姑息なやり方ではないか。何故、日本国の首相として、首相官邸で堂々と国民に謝罪し、思うところを述べないのか。この人物の卑しさと責任逃れの姿勢が、記者会見のスタイルに凝縮されている。

 彼は、母親から貰った金に関して、多額の脱税をしていたのである。追徴課税を含めて9億円近い金額を支払うらしいが、このように表沙汰にならなければ知らぬ振りをしていたのだ。納税と言う国民の義務を蔑(ないがし)ろにしたのだから、国会議員を即刻辞職すべきである。首相職は、自動的に失われる。それが真の謝罪と言うものだ。

 毎月1500万円を母親から貰っていながら、知らなかったではこの世は通らない。如何に多弁を弄して釈明し、謝罪しようとも、国会議員の職に留まるのであれば、誠意を示したことにならない。

 孔子の言葉に、「巧言令色鮮矣仁」(こうげんれいしょくすくなしじん)がある。言葉巧みに話をして相手の顔色を伺う人間に誠意は無いという意味である。あの記者会見では、延々と女々しく言い訳などをせず、脱税をしました、政治資金規正法の違反もしました、それ故、国民に深く謝罪をし、税金を納め、国会議員を辞職しますと言うべきであった。そうしてこそ、鳩山首相が過去に言い続けた金庫番秘書の犯罪は議員の責任との考えと整合性が取れるのだ。

 鳩山首相は、国民の信頼を裏切っていたのである。大方の国民は、最早彼を信用しない。「友愛」などと言う前に、<信無くば立たず>を忘れることなく、彼は潔く政界から去って欲しい。

 民主党による政権交代を煽って来た新聞社も含め、25日の大新聞の社説は揃って厳しい見方に立っている。それは、当然のことだ。世界にもこの鳩山醜聞は余す所なく配信されているから、鳩山首相の国際的信用は完全に失墜したと見て良いであろう。

読売新聞社説
元秘書2人起訴 鳩山首相の政治責任は重大だ(12月25日付)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091224-OYT1T01437.htm

日経新聞社説
元秘書起訴で首相の責任は極めて重い(12/25)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20091224AS1K2400424122009.html

産経新聞社説
【主張】元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091225/stt0912250254000-n1.htm

朝日新聞社説
首相元秘書起訴―「続投」で背負った十字架
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

毎日新聞社説
首相の元秘書起訴 説得力欠いた鳩山会見
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20091225k0000m070120000c.html

東京新聞社説
首相元秘書起訴 『知らぬ』で疑惑消えず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2009122502000081.html


(参考)



 これは、yamatsumi33 さん提供の動画。
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