私は「麻生ファン」ではなく、首相批判をしている一人だが、麻生内閣にはこれからも頑張って欲しいと願っている。特に「かんぽの宿」問題で追求を進めている鳩山邦夫総務相には、期待する所が極めて大きい。この問題は、竹中平蔵前担当大臣やオリックス㈱の宮内義彦会長を巻き込んで、大疑獄事件に発展するだろう。
小泉純一郎氏が、郵政民営化事業の推進につき麻生首相を批判し、首相は、小泉氏へ電話でそれを説明をした。民営化の方向は変わらないわけだが、4分社化には色々と問題がありそうだから、手直しをする可能性に触れたと言うことではないか。小泉氏は、既に昨年9月に引退を表明したはず、麻生首相の考え方にクレームを付けるのは結構だが、倒閣運動などを画策しているとしたら、とんでもない話である。
マスコミは、政治の劇場化再来を期待して、何かと騒いでいる。彼らは、政局が好きなのだ。小泉氏の麻生首相批判を各社が社説でどのように取上げているか、産経新聞が総括しながら論評している。「親・小泉」の姿勢が明瞭なのは、毎日と日経である。
【社説検証】小泉氏の首相批判
2009.2.16 07:14
■産経・指導者の自覚求める、毎日・早期解散に力点おく
小泉純一郎元首相が麻生太郎首相の郵政民営化に関する発言などを批判したことを論じた14日付の各紙社説は、麻生政権にどう向き合うかというスタンスの違いを浮き彫りにした。
首相という国のかじ取り役の責務の重さを自覚し、内外の深刻な課題への取り組みを麻生首相に求めたのは産経だ。金融危機による日本経済への悪影響や北朝鮮の弾道ミサイルへの早急な対処を促すとともに「必要なのは指導者が確固たる信念とぶれない姿勢を堅持することだ」と直言した。
読売も「これ以上、支持率を低下させては、政策遂行もおぼつかなくなる。首相は、資質や見識を疑わせる発言を繰り返すことのないよう、自重自戒してもらいたい」「景気や雇用対策の早急な実行が求められている」と訴えた。
産・読は、第2次補正予算の関連法案や来年度予算案が成立していないこの時期に自民党の抗争が高まることにも疑問を呈した。
産経は「与党内で足の引っ張り合いをしている場合ではない」とし、読売も「消費者問題に続いて党内抗争を再燃させてはなるまい」と強調した。
産・読と大きく異なったのは毎日だ。「自民党内の倒閣運動は初めて具体的に顕在化したとも言える」と評価し、「国民の信任を得た首相にしか思い切った経済政策は断行できない」と早期の衆院解散・総選挙を重ねて求めた。
日経も「私たちは〇九年度予算案と関連法案を早期に成立させたうえで、衆院を解散するよう求めてきた」と指摘した。
朝日は「倒閣宣言ともとられかねない言葉だ」と分析する一方、「情けないのは、麻生政権に批判や不満があるのに、正面から主張しようとしない自民党の議員たちだ」などと注文をつけるにとどまった。
一方、各紙に共通するのは麻生首相の問題発言に対する批判だ。
産経は「改革の根幹にかかわる首相の発言のぶれが、政治の信頼性を損なうという小泉氏の指摘はもっともだろう」とした。
「実体に乏しく、あまりに不用意にすぎたといえる」(読売)、「あまりにお粗末」(毎日)、「信念なき軽率な発言」(日経)、「おおもとの大義を首相自らがぐらつかせるとは」(朝日)。
小泉氏が定額給付金の財源根拠となる関連法案について「(衆院再議決の)3分の2を使ってでも成立させねばならない法案とは思っていない」と述べたことについて、論調は割れた。
産経は「今になって給付金反対を唱えるなら、大いに疑問を呈したい」「ここに至っての撤回は大きな混乱をもたらす」と論じた。
読売も「関連法案の衆院採決では、小泉元首相も賛成したはずではなかったか。自民党の若手議員らの造反を誘うかのような発言は、国会に混乱を招くだけだ」と批判した。
朝日は「疑問があるならもっと早く声をあげるべきではなかったか」と疑念を示す一方、「衆院再議決では言葉通り『反対』の行動をとるべきだ」とくぎをさした。毎日は「再可決できず、目玉政策の定額給付金が実現不能となれば、たちまち麻生政権は窮地に陥る」と指摘した。
日経は「定額給付金にかかわる部分は撤回して、関連法案成立を目指す柔軟姿勢があってもいい」と、小泉氏を弁護した。
このほか民主党の補正予算関連法案の審議引き延ばしに注文をつけ、「採決を急ぐべきだ」と指摘したのは産経だけだった。
◇
◆「小泉元首相の発言」に関する各社の社説
朝日 ・あきれる自民の右往左往
毎日 ・もはや政権末期の症状だ
読売 ・「郵政」で争う時ではない
産経 ・しっかり指導者の責務を
日経 ・首相の政権基盤を痛撃した小泉発言
〈注〉日付はいずれも2月14日
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090216/stt0902160718002-n1.htm
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