巨大電子企業サムスン電子(社員18万人)は、映像関係電子製品及びその関連で、世界を席巻している。独自技術はどの程度あるのか分からないが、大型液晶パネル製品では滅法強い。現在のウオン安とFTAを利用し、売上げ高10兆円以上と日本企業の追従を許さず、米国ヒューレット・パッカードの販売高を抜いた。
携帯電話でも、同社は新興国などに高いシエアを維持している。最近は、スマート・フォンに力を入れ、オープン・プラットフォームであるアンドロイドOS(グーグル社提供)を用いて、アップルのiPhoneやiPadに類似した製品を販売中。後者の製品名は、「ギャラクシー Pad 10.1」である。ところが、この製品はアップルから特許侵害のクレームが付いた。告訴は、ドイツで行われ、デュッセルドルフの裁判所は、ドイツ国内における販売禁止仮処分を確定した。
WSJ日本版によると、
サムスン「ギャラクシー」の販売差し止めを確定=ドイツ裁判所
2011年 9月 10日 8:38 JST
【アムステルダム】ドイツの裁判所は9日、同国内における韓国サムスン電子のタブレット型携帯端末「ギャラクシー10.1」販売差し止めを確定、米アップルとサムスン電子との間で続く国際的な特許闘争でアップル側が再び勝ち点を上げた。
デュッセルドルフ裁判所は、8月初めにアップルが勝ち取ったサムスン電子のギャラクシーに対する販売禁止仮処分を確定した。ギャラクシー、アップルの「iPad(アイパッド)」の対抗機種として最も有力視されている。ただし、サムスン電子はこれを不服として控訴している。ギャラクシーがiPadに似すぎているかどうかも今後の裁判で決まる。
この特許闘争の中心は米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」と、アップルが「iPhone(アイフォーン)」ならびに「iPad(アイパッド)」に使っているOSとの間の争いだ。サムスン電子のタブレット型PCとスマートフォンではアンドロイドが使われている。今週初め、台湾のスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー大手、宏達国際電子(HTC)は、グーグルから取得した特許を使い、アップルが無線通信技術と携帯電話のディスプレーに関する同社の米国特許を侵害しているとしてデラウェア裁判所で提訴した。
サムスン電子の全体の売上高にタブレット型PCが占める比率はわずかであり、PCギャラクシーがドイツで販売禁止となっても、同社にとって大きな損失となるわけではない。アナリストの見積もりによれば、売上高で世界最大規模のハイテク企業である同社が今年上半期に出荷した タブレット型PCは約200万台で、同時期の携帯電話の出荷台数1億4000万台に比べるとごくわずかだ。それに対し、同時期におけるアップル「iPad」の出荷台数は1390万台に上る。
だが、9日の判決はサムスン電子にとって欧州の混迷状態が続くことを意味する。オランダの裁判所は先に、サムスンのオランダ子会社に対し、スマートフォン「ギャラクシーS」、「ギャラクシーS2」、「ギャラクシーエース」の販売を欧州で禁じる判決を下した。これらの画面をスクロールする方法や画像を閲覧する方法がアップルの特許を侵害していると判断したものだ。禁止措置は10月13日に発効する。
しかし、そのオランダの判決によると、親会社はオランダを除く欧州全域でこれら機種を販売できる。同じように、デュッセルドルフ裁判所が9日に下したタブレット型PCの販売に対する判決も、サムスン電子やドイツ以外の子会社の事業に影響するわけではない。ただ、同社のドイツ子会社は、ほぼ欧州全域でPCギャラクシーを販売できなくなる。
国や子会社によって販売禁止の内容が異なるため、できるだけ多くの国で製品を販売し続けたいサムスンは物流に頭を悩ませることになりそうだ。
サムスンは9日、書面による声明で、「今回の判決はドイツの消費者にとって選択肢を大幅に制限するもので、残念に思う」とした上で、判決は「非常に包括的な意匠権に基づく差し止め命令であり、業界のデザインの革新と進歩を妨げる」と述べた。
また、同社は「ドイツの消費者が選択肢を取り戻せるよう、この判決については直ちに積極的に控訴する」ことを明らかにした。さらに、ドイツとオランダの判決における食い違いについても言及している。
ただ、係争中の訴訟問題が同社の欧州における携帯電話事業に与える影響は少なく、オランダの顧客に「ギャラクシー」スマートフォンを引き続き提供できるよう「必要な措置を講じる」と述べた。
知的財産権を取り扱う英国の法律事務所、ラウスの弁護士、コリン・ファウラー氏は、「 販売差し止めをめぐる衝突は、アップルとサムスンだけでなく、他のタブレットメーカーや消費者にとっても重要だ。ギャラクシーがドイツ市場で売れないことを意味するからだ」と指摘した。
同氏はまた、「ただし、アップルのデザインが有効性を認められるかどうか、また、サムスンの製品がアップルの製品の模倣で知的財産権を侵害しているかどうかは、まだ何カ月も先までわからない」とも述べている。
関係筋によれば、サムスンは、これ以上の訴訟問題を避けるため、米マイクロソフトのウィンドウズ・ソフトウェアを使ってタブレットの製品ラインを拡大する準備をしている。現在、スマートフォンとタブレット型携帯端末のデザインと機能をめぐり、サムスンとアップルの間では9カ国で19件の訴訟が進行中だ。
アップルは文書による声明で、「サムスンの最新製品が、そのハードウェアの形からユーザーインターフェース、さらにはパッケージまでiPhoneやiPadに酷似していることは偶然ではない。このようなあからさまな模倣は許されるべきでなく、アイデアが盗まれた場合には知的財産権を守る必要がある」と述べている。
記者: Archibald Preuschat and Martin Rapp
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_304086
模倣のお得意な国柄だから、軽い気持でアップルの形状模倣をしたのかも知れないが、アップル社は我慢ならぬと判断したわけだ。恐らく、サムスンは欧州で相当な苦戦を強いられる。
この争いのもう一つの背景には、アップル社とグーグル社のOSに関する特許争いがある。アンドロイドOSに加えて、その上で動作するアプリケーションに関しても、特許係争が絶えない。その状況についての解説は、
急成長Andoroid で頻発する特許訴訟
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20101108/187188/
ドイツでの裁定が下る前、韓国政府はサムスンにアンドロイド採用を止めて、独自OSを開発するよう要請している。
アンドロイドを放棄し、対抗OSを開発せよ 韓国がサムスンに要求2011/09/01(木) 11:55
韓国政府はサムスンとLGに対し、グーグルが提供するOS(オペレーションシステム)、Android(アンドロイド)を放棄し、共同でアンドロイドに対抗するOSを開発するよう求めた。8月31日付で新浪科技が報じた。
グーグルは8月、モトローラの買収を発表し、多くの業界関係者はこの影響を見守っている。アンドロイド向けスマートフォンを開発・販売しているサムスンとLGは、グーグルの発表を受けて、「この買収と今後もアンドロイドを開放し続けることを歓迎する」と表明していた。
しかし韓国政府はこれに懸念を示し、サムスンとLGにアンドロイドを放棄し、韓国企業の共同開発により、国内で新たなOSを開発するよう求めた。韓国商務部副部長は、「長期的に見れば、現在のようにグーグルに依存し続けるわけにはいかない」と政府の懸念を表明している。グーグルがモトローラが生産する機種に対して優遇措置をとれば、サムスンやLGなど、ほかのスマートフォンメーカーは必然的に不利になる。
一方で記事は、「アンドロイドが世界のスマートフォン市場の53%以上のシェアを獲得していることから、サムスンやLGがアンドロイドを放棄するかどうかは疑問だ」と報じ、サムスンがwebOSを買収するといううわさが流れたが、サムスン側はこれを否定したと報じた。しかし、米国の科学技術ブログサイトAndroid And Meは、「サムスンとLGが政府の要求を聞き入れれば、サムスンはOS『Bada』で打って出るに違いない」と指摘している。(編集担当:及川源十郎)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0901&f=business_0901_106.shtml
国家がOS利用にまで口を出す所が如何にも韓国らしい。
ガラパゴス化(国内で過剰に機能化)した日本の「ケータイ」は、アンドロイドOSを用いて一気にスマート・フォンに変わって行くのだろう。私自身は、ケータイ・メールは良く出来ないし、ツィッターとも無関係。激しく動く情報技術の進展に取り残される感じだが、今はそれで構わないと思っている。
携帯電話でも、同社は新興国などに高いシエアを維持している。最近は、スマート・フォンに力を入れ、オープン・プラットフォームであるアンドロイドOS(グーグル社提供)を用いて、アップルのiPhoneやiPadに類似した製品を販売中。後者の製品名は、「ギャラクシー Pad 10.1」である。ところが、この製品はアップルから特許侵害のクレームが付いた。告訴は、ドイツで行われ、デュッセルドルフの裁判所は、ドイツ国内における販売禁止仮処分を確定した。
WSJ日本版によると、
サムスン「ギャラクシー」の販売差し止めを確定=ドイツ裁判所
2011年 9月 10日 8:38 JST
【アムステルダム】ドイツの裁判所は9日、同国内における韓国サムスン電子のタブレット型携帯端末「ギャラクシー10.1」販売差し止めを確定、米アップルとサムスン電子との間で続く国際的な特許闘争でアップル側が再び勝ち点を上げた。
デュッセルドルフ裁判所は、8月初めにアップルが勝ち取ったサムスン電子のギャラクシーに対する販売禁止仮処分を確定した。ギャラクシー、アップルの「iPad(アイパッド)」の対抗機種として最も有力視されている。ただし、サムスン電子はこれを不服として控訴している。ギャラクシーがiPadに似すぎているかどうかも今後の裁判で決まる。
この特許闘争の中心は米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」と、アップルが「iPhone(アイフォーン)」ならびに「iPad(アイパッド)」に使っているOSとの間の争いだ。サムスン電子のタブレット型PCとスマートフォンではアンドロイドが使われている。今週初め、台湾のスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー大手、宏達国際電子(HTC)は、グーグルから取得した特許を使い、アップルが無線通信技術と携帯電話のディスプレーに関する同社の米国特許を侵害しているとしてデラウェア裁判所で提訴した。
サムスン電子の全体の売上高にタブレット型PCが占める比率はわずかであり、PCギャラクシーがドイツで販売禁止となっても、同社にとって大きな損失となるわけではない。アナリストの見積もりによれば、売上高で世界最大規模のハイテク企業である同社が今年上半期に出荷した タブレット型PCは約200万台で、同時期の携帯電話の出荷台数1億4000万台に比べるとごくわずかだ。それに対し、同時期におけるアップル「iPad」の出荷台数は1390万台に上る。
だが、9日の判決はサムスン電子にとって欧州の混迷状態が続くことを意味する。オランダの裁判所は先に、サムスンのオランダ子会社に対し、スマートフォン「ギャラクシーS」、「ギャラクシーS2」、「ギャラクシーエース」の販売を欧州で禁じる判決を下した。これらの画面をスクロールする方法や画像を閲覧する方法がアップルの特許を侵害していると判断したものだ。禁止措置は10月13日に発効する。
しかし、そのオランダの判決によると、親会社はオランダを除く欧州全域でこれら機種を販売できる。同じように、デュッセルドルフ裁判所が9日に下したタブレット型PCの販売に対する判決も、サムスン電子やドイツ以外の子会社の事業に影響するわけではない。ただ、同社のドイツ子会社は、ほぼ欧州全域でPCギャラクシーを販売できなくなる。
国や子会社によって販売禁止の内容が異なるため、できるだけ多くの国で製品を販売し続けたいサムスンは物流に頭を悩ませることになりそうだ。
サムスンは9日、書面による声明で、「今回の判決はドイツの消費者にとって選択肢を大幅に制限するもので、残念に思う」とした上で、判決は「非常に包括的な意匠権に基づく差し止め命令であり、業界のデザインの革新と進歩を妨げる」と述べた。
また、同社は「ドイツの消費者が選択肢を取り戻せるよう、この判決については直ちに積極的に控訴する」ことを明らかにした。さらに、ドイツとオランダの判決における食い違いについても言及している。
ただ、係争中の訴訟問題が同社の欧州における携帯電話事業に与える影響は少なく、オランダの顧客に「ギャラクシー」スマートフォンを引き続き提供できるよう「必要な措置を講じる」と述べた。
知的財産権を取り扱う英国の法律事務所、ラウスの弁護士、コリン・ファウラー氏は、「 販売差し止めをめぐる衝突は、アップルとサムスンだけでなく、他のタブレットメーカーや消費者にとっても重要だ。ギャラクシーがドイツ市場で売れないことを意味するからだ」と指摘した。
同氏はまた、「ただし、アップルのデザインが有効性を認められるかどうか、また、サムスンの製品がアップルの製品の模倣で知的財産権を侵害しているかどうかは、まだ何カ月も先までわからない」とも述べている。
関係筋によれば、サムスンは、これ以上の訴訟問題を避けるため、米マイクロソフトのウィンドウズ・ソフトウェアを使ってタブレットの製品ラインを拡大する準備をしている。現在、スマートフォンとタブレット型携帯端末のデザインと機能をめぐり、サムスンとアップルの間では9カ国で19件の訴訟が進行中だ。
アップルは文書による声明で、「サムスンの最新製品が、そのハードウェアの形からユーザーインターフェース、さらにはパッケージまでiPhoneやiPadに酷似していることは偶然ではない。このようなあからさまな模倣は許されるべきでなく、アイデアが盗まれた場合には知的財産権を守る必要がある」と述べている。
記者: Archibald Preuschat and Martin Rapp
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_304086
模倣のお得意な国柄だから、軽い気持でアップルの形状模倣をしたのかも知れないが、アップル社は我慢ならぬと判断したわけだ。恐らく、サムスンは欧州で相当な苦戦を強いられる。
この争いのもう一つの背景には、アップル社とグーグル社のOSに関する特許争いがある。アンドロイドOSに加えて、その上で動作するアプリケーションに関しても、特許係争が絶えない。その状況についての解説は、
急成長Andoroid で頻発する特許訴訟
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20101108/187188/
ドイツでの裁定が下る前、韓国政府はサムスンにアンドロイド採用を止めて、独自OSを開発するよう要請している。
アンドロイドを放棄し、対抗OSを開発せよ 韓国がサムスンに要求2011/09/01(木) 11:55
韓国政府はサムスンとLGに対し、グーグルが提供するOS(オペレーションシステム)、Android(アンドロイド)を放棄し、共同でアンドロイドに対抗するOSを開発するよう求めた。8月31日付で新浪科技が報じた。
グーグルは8月、モトローラの買収を発表し、多くの業界関係者はこの影響を見守っている。アンドロイド向けスマートフォンを開発・販売しているサムスンとLGは、グーグルの発表を受けて、「この買収と今後もアンドロイドを開放し続けることを歓迎する」と表明していた。
しかし韓国政府はこれに懸念を示し、サムスンとLGにアンドロイドを放棄し、韓国企業の共同開発により、国内で新たなOSを開発するよう求めた。韓国商務部副部長は、「長期的に見れば、現在のようにグーグルに依存し続けるわけにはいかない」と政府の懸念を表明している。グーグルがモトローラが生産する機種に対して優遇措置をとれば、サムスンやLGなど、ほかのスマートフォンメーカーは必然的に不利になる。
一方で記事は、「アンドロイドが世界のスマートフォン市場の53%以上のシェアを獲得していることから、サムスンやLGがアンドロイドを放棄するかどうかは疑問だ」と報じ、サムスンがwebOSを買収するといううわさが流れたが、サムスン側はこれを否定したと報じた。しかし、米国の科学技術ブログサイトAndroid And Meは、「サムスンとLGが政府の要求を聞き入れれば、サムスンはOS『Bada』で打って出るに違いない」と指摘している。(編集担当:及川源十郎)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0901&f=business_0901_106.shtml
国家がOS利用にまで口を出す所が如何にも韓国らしい。
ガラパゴス化(国内で過剰に機能化)した日本の「ケータイ」は、アンドロイドOSを用いて一気にスマート・フォンに変わって行くのだろう。私自身は、ケータイ・メールは良く出来ないし、ツィッターとも無関係。激しく動く情報技術の進展に取り残される感じだが、今はそれで構わないと思っている。
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