陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

オバマ氏が新大統領に当選

2008-11-05 16:13:20 | 米国関係
 先週末から新潟市へ出かけ、往復のドライブを楽しんだが、帰宅後少し体調を崩してしまった。頭痛と微熱を感じたので、暫く床に臥せった。そんな理由で、ブログの更新を控えたが、訪問して下さった方々には改めてお礼を申します。

 さて、注目の米大統領選は、民主党候補バラク・オバマ上院議員(47)の勝利で終わった。投票率も6割を越すと言うし、接戦に付き物の開票問題も無いようで、米国民の意思が明確に現れたと思う。

 日本の外交と経済にとって、オバマ新政権は手強い相手になるだろう。クリントン元政権の例を引くまでもなく、概して米国・民主党政権は対日政策が厳しい。加えて、米国は只今、未曾有の経済危機に直面しているから、"Change" の掛け声の下、従来とは異なった対日政策で臨むと想像される。

 オバマ政権の外交政策と経済政策とは別に、オバマ氏が<9・11同時多発テロ事件>調査を本格的に取上げるかどうか、興味深い。あの事件は、国際金融資本とネオコンがぐるになって引き起こしたとの噂が絶えない。新政権が情報開示するまでは行かなくても、重要データをリークする可能性はある。そうした事態になれば、「テロとの戦い」概念は見直しを迫られるだろう。

 先月下旬からのNY株式市場は、オバマ当選の前祝のように上げ続けた。だが、実体経済については、GMなど製造業の経営不振が次々に報告されていた。大統領選は、4年に一度のお祭り騒ぎの側面もあるし、最悪と言われる小ブッシュ政権を取り替えるのだとの意気込みと期待感もあったろう。そして、折からの<経済カタストロフィー>に暫し目を瞑り、束の間の株高を望みたい米国民の心理も分かる。

 宴は終わったのである。これからは実体経済を反映して、ダウ30種平均は低下するだろう。次は、11月15日の拡大G20会議に向けて各国の権謀術数が盛んになるし、その日は多くのヘッジ・ファンドが決済を締切る日でもある。それらを反映し、株式市場の乱高下が予想される。ユーロは先月末から高め設定に推移しているが、これは如何にも作為的であり、長続きはしないと思われる。

【米大統領選】初の黒人「オバマ大統領」誕生 47歳の若き指導者
2008.11.5 14:23

 【ワシントン=有元隆志】米大統領選は4日(日本時間5日)、投開票が行われ、民主党候補バラク・オバマ上院議員が過半数の270人を大幅に上回る選挙人を獲得して勝利した。奴隷制度という過去を持つ米国が奴隷の子孫でないとはいえ、ケニア人を父に持つ黒人候補を初めて大統領に選ぶ歴史的な選挙となった。4年前の民主党全国大会で彗星(すいせい)のごとく現れたオバマ氏は一気に大統領の座まで上り詰めた。金融危機に直面した米国は、47歳の若き指導者に今後4年間を託する。

 オバマ氏は第44代大統領として、来年1月20日に首都ワシントンで就任式に臨む。任期は2013年1月までで、副大統領にはジョゼフ・バイデン上院議員(65)が就く。民主党はクリントン前大統領以来、8年ぶりの政権奪回となる。

 CNNテレビの集計によると、オバマ氏は地元イリノイ州(選挙人数21)や、民主党が伝統的に強いニューヨーク州(同31)の東部各州を着実に制した。激戦のペンシルベニア州(同21)やオハイオ州(同20)でも勝利を収め、共和党の強いバージニア州(同13)ではジョンソン元大統領以来、44年ぶりに勝利した。

 オバマ氏の獲得した選挙人の数は当選に確実な270人を大きく超える338人に達した。

 地元シカゴの公園グランドパークでの集会に姿を見せたオバマ氏は高らかに勝利宣言。「米国に変化のときが訪れた」と語り、人種を超えた米国の再生と結束を呼びかけた。支持者から大歓声が起こると、オバマ氏は「この勝利は一人ひとりのものだ」と強調した。

 一方、共和党候補のジョン・マケイン上院議員(72)はテキサス州(34)やテネシー州(11)などで勝利したものの、獲得選挙人は156人と伸び悩んだ。勝敗の行方を左右するといわれたバージニア州をオバマ氏が制したと伝えられた直後にオバマ氏当確の報道が流れると、マケイン氏も敗北を認め、オバマ氏に電話で祝意を伝えた。

 マケイン氏はその後、地元アリゾナ州フェニックスの集会に姿を見せ、「長い旅の終わりを迎えた」と語り、オバマ氏に自らの敗北を認めたことを明かし、オバマ氏と、上院の盟友でもあった副大統領候補のバイデン上院議員による4年間の政権運営に期待した。

 一方、ブッシュ大統領も報道官を通じてオバマ氏に電話して祝意を伝えた。

 オバマ氏は人種や党派を超えた「1つの米国」を訴え、黒人や若者を中心に支持を受けた。金融危機が深刻化した9月中旬以降は、経済への先行き不安から「変革」を求める米国民の期待を追い風に、各種世論調査で一貫してマケイン氏を上回った。

 海軍出身で、上院議員としても外交・安全保障問題にかかわってきたベテラン政治家マケイン氏は、オバマ氏の外交経験不足を批判したものの、現職のブッシュ大統領の不人気のあおりを受ける形で、浸透を図ることはできなかった。

 投票当日の4日は各地で朝から投票所に長い行列ができるなど、投票率は60%を上回る見通しで、過去最高になるとみられている。

 一方、民主党は議会選挙でも上院(定数100)で非改選を含めて過半数を超える56議席を確保、共和党は40議席となっている。共和党はノースカロライナ州で現職のエリザベス・ドール上院議員が議席を失うことが確実となるなど、2006年の中間選挙に続き敗北。民主党は引き続き上下両院で過半数を制する見通しだ。

 ■バラク・オバマ氏 1961年8月4日、ハワイ州ホノルル生まれ。父親はケニア人、母親はカンザス州出身の白人。母親がインドネシア人男性と再婚後、少年期を同国で過ごす。コロンビア大卒業後、シカゴの貧困街で住民の支援活動に従事。ハーバード法科大学院に進み、「ハーバード・ロー・レビュー(法学紀要)」の黒人初の編集長に選ばれる。シカゴに戻り人権派弁護士として活動。96年イリノイ州議会議員に初当選。2000年の下院選予備選で敗北したが、04年、上院選で当選を果たす。ミシェル夫人との間に2女。趣味はバスケットボール(ワシントン 渡辺浩生)

http://sankei.jp.msn.com/world/america/081105/amr0811051424027-n1.htm
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