陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

竹島奪還プロセスを考える

2007-02-22 00:52:47 | 竹島問題
 今日2月22日は、島根県が制定した「竹島の日」である。今月に入り、韓国側は20人程が住める施設を竹島に建設する構想を披露し、予算措置に動いている。我が国外務省は、遺憾であると抗議するのみで、特にそれ以上の事をしていない。

 様々なブログに設けられた投稿欄では、もう防衛出動をすべきだとの意見が強い。防衛省の考える自衛権発動の要件は、次のようである。

 憲法第9条の下において認められる自衛権の発動としての武力の行使については、政府は従来から、
(A)わが国に対する急迫不正の侵害があること
(B)この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと
(C)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
という三要件に該当する場合に限られると解している。
http://www.mod.go.jp/j/defense/policy/seisaku/kihon02.htm

 外務省は、「竹島は歴史的に我が国固有の領土」であり、明らかに「竹島が不法占拠されている」と広報しているのであるから、上記(A)項に該当する。
 次に、外交努力(不法であるとの抗議通告)を50年間に亘って継続し、国際司法裁判所への共同提訴を申し入れても、埒があかないのであるから、上記(B)項に該当する。従って、自衛権の発動を行っても、国際的にも、国内的にも問題は無いはずだ。自衛権発動の目的は、竹島及びその領海奪還にあるから、最小限の実力行使に留まるのは当然である。何も、朝鮮半島へまで上陸しようと言うのでは無い。

 今年になって繰り返し開かれた久間防衛相の記者会見では、竹島に関する発言は全く無い。と言うよりも、記者達が尋ねようとしないのである。外務省と対等な立場になった防衛省の責任者に、現在領土侵犯が行われている事と、その対応を聞こうともしないのは何故なのか。日本のマスコミは、竹島問題をタブーとしているように見える。

 この問題は、日韓の外交へ与える影響が大きいとして、全て先延ばしされた。それならば、お互い竹島には近づかず、冷静な時間を持てるまで待機するのが当たり前だ。これなら未だ交渉の道はあるだろう。だが韓国は海上警備隊要員を常駐させ、高射砲を設置し、民間人2名に居住許可を与えている。これは、互恵、礼儀、外交節度において道を踏み外している。

 安倍首相は、我が国を「美しい国」すると述べた。国家として領土・領海を侵犯されている事を解決してから、そうした事が言えるのでは無いか。国家運営の責任者として、「竹島奪還」を図り、外相と防衛相に指示するのが首相の志の現れになるはずだ。

 既にこのブログでも、奪還のための外交プロセスを記したが、些か加筆しながら再掲したい。まず、1年以内に竹島とその海域から韓国関係者は退去すべき事を明らかな形で外相が在日韓国大使に通告する。同時に、

(1) 竹島近辺の海洋調査を海上保安庁へ指示
(2) 世界の有力紙へ全面広告を掲載し、竹島の歴史、これまでの経緯と現状を明確に伝える(これはかなり重要)
(3) 韓国人のノービザ訪日規則の即時廃止を閣議決定
(4) 韓国へ国家債務保証が残っているのであれば、それを即時停止
(5) 在留邦人の引き上げ

を行う。次に様子を見て、

(6)5月27日の旧海軍記念日に、舞鶴港へ半数以上の護衛艦隊を集結させて同港を出発、竹島海域を通り過ぎて対馬方面へパレードする
(7) 在日半島人の在留特別許可を全て廃止
(8) 最恵国待遇の停止
(9) 在韓日本大使の召還

と進む。それでも竹島から韓国人が退去しなければ、粛々と防衛出動に移れば良い。

 日米安保の関係上、米国には日本の意志を事前連絡する必要がある。場合によっては、在日米軍の力を借りる事も考えられる。

 竹島とその海域で戦闘が起きても、領土・領海内の自衛活動であるから憲法9条に抵触しない。一方、韓国空・海軍がどのように出るかを読んでおく必要がある。韓国の軍事力は、首都ソウル近辺の自衛に関する以外、対外戦の統裁権を在韓米軍司令官が持っている。日本の言い分に米国が納得するなら、米国は韓国軍事力の発動を押さえるだろう。あるいは、米軍関与せずとして、一時的に統裁権を韓国大統領へ預けるかも知れない。それならそれで、堂々と両国は戦力を以て渡り合えば良い。

 竹島問題の解決は、日本政府の決意とそれを支える国民の意志に掛かっている。1982年、フォークランド紛争でサッチャー元首相が見せた海洋国家としての意志の力を我々も持つべきだ。2年目を迎える「竹島の日」を迎えて、安倍政権はどのように判断するのだろうか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昨年の今頃の想い出 | トップ | 「世界に生きる日本の心」を読む »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

竹島問題」カテゴリの最新記事