陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

年初からユーロ下落が続く

2012-01-09 09:00:42 | 欧州関係
 昨年末に、1ユーロ=99円台となって話題となったが、私もユーロの下落速度が少し早過ぎるなと感じた。半年前には、欧州危機が深化し、それがユーロ下落を招いて、100円を割るだろうと予測をしたのだが、昨年10月にメルケル独首相とサルコジ仏大統領の努力によって、ギリシャ危機は一応回避された。

 それを反映して、1ユーロ=105円台まで回復、2012年前半くらいまで、1ユーロ=100円以上をぎりぎりで維持するのだろうと思い直していた。しかし、欧州の経済状況は、大方の予想を超えて、かなり厳しい段階に入ったようだ。

 ユーロが円に対してどの水準まで下がるのか?2008年の春に、イタリアとドイツを訪問した時、1ユーロ=180円であった。新聞やバス料金が2ユーロであり、美術館などの入場料金が7~8ユーロ、円に換算すると随分と高いなと感じた。その時は、1ユーロ=120円程度が妥当な為替水準で、1ユーロ=100円なら日本より物価は遙かに安いとの印象を持った。

 只今、1ユーロ=97円台後半で推移しつつある。恐らく、95円は心理的抵抗ラインにならないだろう。現在でもそうだが、1ユーロ=90円台になれば、日本からユーロ圏への工業製品輸出は、殆ど不可能になる。

 ドイツは、ユーロ安で輸出が伸びるのかも知れないが、世界的な不況が進む中、それも限界があると思われる。


ユーロ下落、来週も売り継続の見通し=NY外為市場
2012年 01月 7日 08:32 JST

[ニューヨーク 6日 ロイター] 6日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで2010年9月以来の安値、対円では2000年12月中旬以来の安値を更新した。

米経済が好調に推移していることを示す経済指標が発表される一方で、ユーロ圏では経済が再びリセッションに陥る兆しを見せていることでこの日もユーロ売りが先行。市場ではユーロ加盟国の資金調達状況が改善しない限り、ユーロ売りは続くとの見方が出ている。

ニューヨーク市場終盤の取引でユーロは1.2718ドルと0.5%安で推移。ロイターのデータによると一時1.2696ドルと、2010年9月以来の安値をつけた。

対円では一時97.88円と、2000年12月中旬以来の安値に下落。終盤の取引では0.7%安の97.96円で推移した。

朝方発表された12月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を上回って増加。失業率は約3年ぶり低水準となる8.5%に低下した。

これを受け、ドルは幅広い通貨に対して上昇。対スイスフランでは前年2月以来の高値をつけた。

ユーロの下落に伴い、主要6通貨に対するICEフューチャーズUSのドル指数.DXYは一時81.376まで上昇、2010年11月下旬以来の水準を更新した。その後は若干戻し、終盤の取引では0.4%上昇の81.264で推移した。

ドルは対円で0.2%安の76.98円で推移。若干下落したものの、今週つけた11月中旬以来の安値からは戻した。

来週はイタリアとスペインが国債入札を実施する。ユーロ加盟国の資金調達状況を占う試金石になるとして、市場の注目を集めている。

野村証券の外為ストラテジスト、チャールズ・アーノウド氏は「ユーロは来週も下落する公算が大きい」と予想。市場では、特に2012年の最初の4カ月で約1000億ユーロの国債償還と利払いを抱えるイタリアの資金調達コストに対する懸念が出ている。

ユーロ圏の国債の入札に加え、ユーロ圏債務危機に対しどのような対策が打ち出されるのか見極めるため、9日の独仏首脳会談にも注目が集まっている。

2012年の初めの1週間で、ユーロは対ドルで1.8%、対円で1.6%、それぞれ下落した。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE80504Z20120106?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0


 現役を退いた著名な投資家ジョージ・ソロスは、ユーロ通貨の先行きに殆ど期待を持っていないような発言をしている。


ソロス氏「EUの分裂は国際金融システムにとって破壊的」=報道
2012年 01月 6日 15:24 JST

[6日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロス氏は、ユーロの崩壊と欧州連合(EU)の分裂は国際金融システムに破壊的な結果をもたらすことになるとの見方を示した。インドの各紙が報じた。

 ビジネス・ライン紙によると、ソロス氏はインド南部の都市ハイデラバードで、「ユーロは現在、EUの政治的結束を脅かしている可能性がある」と指摘。「ユーロが崩壊した場合、EUの分裂につながるだろう。それは欧州だけでなく、世界の金融システムにとって破壊的な事態となる」と語った。

 エコノミック・タイムズ紙によると、同氏は「(ユーロ圏危機は)2008年の危機よりも深刻で脅威になっている」と指摘した。

 また、ミント紙によると、同氏はビジネススクールのイベントで、「債権国と債務国」の不均衡によって、一部のユーロ圏諸国は短期的に、さらなる緊縮財政措置を取る必要があるかもしれないと述べた。

 「残念ながら、彼らは深刻な金融危機をまだ解決しておらず、状況悪化につながっている。しかも解決策が見つかるかも全く分かっていない」と指摘した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE80503G20120106
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