既に報道されていたように、北朝鮮の核を利用した「崖っぷち交渉」は予想通り再開された。在北朝鮮のIAEA機関も、同国が核開発無能力化作業を中止したことを確認した。ヒル国務次官補は、慌てて北京へ飛び善後策を考えるようだが、小ブッシュ政権は北朝鮮に対する「テロ支援国家指定」を最早解除することは無いだろう。
北朝鮮が実験用黒鉛炉の無能力化中断を通告 IAEAが報告書
2008.9.4 09:35
国際原子力機関(IAEA)は北朝鮮核問題に関する報告書を3日までに加盟各国に配布し、北朝鮮が寧辺の実験用黒鉛減速炉(五千キロワット)の無能力化作業を中断するとの通告を先月18日に受けたことを明らかにした。
共同通信が入手した2日付の報告書によると、対象計五施設のうち、実験用黒鉛減速炉以外については「停止状態の監視を継続」(核燃料加工施設)「2002年以降、建設作業は行われていない」(建設中の5万キロワットと20万キロワットの黒鉛減速炉)などとしている。
しかし、実験用黒鉛減速炉については8月時点で使用済み燃料棒の半分以上が取り出され、隣接の貯蔵プールに移されたとする一方で、無能力化中断の通告を現場で受けたことを明記。監視・検証作業は継続しているとした。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080904/kor0809040942002-n1.htm
何度も言うが、北朝鮮は決して核開発を止めることは無い。それは、周辺国に対する恫喝の有力手段であると共に、同国国内にあっては金正日政権を延命させる唯一の道具になっているからだ。1990年代の初期から、それは同政権の一貫した姿勢であって、資源国リビアとは根本的に違う。コンドリーザ・ライス女史は、それを分かろうとしない。
クリントン政権の末期と現小ブッシュ政権末期は、対北朝鮮政策に関し誤判断を持った点で共通している。二国間交渉では北朝鮮に翻弄されるだけ、多国間交渉でも同じ状況になることを<六者協議>参加国は認識すべきだ。金正日政権を倒さない限り、北朝鮮から核を取り除くことは出来ない。
金正日政権に対しては、デタント的融和策は意味が無い。これを打倒するには、
○ハードな方法:サージカル・ストライク(米軍が要衝地点へ集中爆撃)
○ソフトな方法:完全経済封鎖
が有力であることは言を待たない。
現在、ハードな方法を取るには、国際金融資本により経済的に追い詰められた韓国への影響が大き過ぎる。それに、韓国軍戦闘力はノムヒョン前大統領により、物心共に弱められてしまった。シナも、北朝鮮人民の大量越境流出を恐れるだろう。ロシアは、領土確保が大好きだから、ハードな北朝鮮潰しに悦んで参加し、北朝鮮領土を部分的に支配する権利を得ようとするだろう。だが、只今はグルジア問題があるから米国と話し合う余裕がロシアには無い。日本は、超法規的措置を覚悟しない限り、自衛隊を北朝鮮空爆に参加させることが出来ない。
平壌と核開発拠点をピン・ポイント攻撃されたら、金正日政権は怒り狂い、報復として韓国へ武力進出、また日本の拉致被害者を全員抹殺する可能性もある。こうした事は、先行きを十分に読みながら進めなければならぬ。加えて、米国の経済状態を考えると、ハードな方法を採用するには時機を失してしまった。無意味な<六者協議>に拘り過ぎたのだ。
ここは、ソフトな手段を継続し、経済制裁を着実に強めるのが一番である。今、北朝鮮はへとへとになっているのだ。だから、米国はウラン情報を含めて核問題を明確にさせることをじわりと続ける。一方、日本は拉致された被害者全員が帰るまでは、更に経済制裁(封鎖)を強め、朝鮮総連を解体させるように動く。国内政治屋で、北朝鮮と連絡したがる代議士達は、次の総選挙で落選させるようにしよう。このような戦略で金正日体制を崩壊させないと、核問題と拉致問題は何時までも先に進まない。
トムとジェリーは、音楽コンサートまでやって仲良くなったように思わせた。トムが揉み手さすり手で、ジェリーを懐柔しようとしたからだ。でも、それは見かけだけで、再び本能に戻って両者は追いかけっこを始めようとしている。トムよ、どうか「窮鼠(きゅうそ)、猫を噛む」の諺を思い出して欲しい。
(参考)
「トムとジェリー」の終わり無きBDA物語
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/1c6297f2f7661e71cfc75a8ba87e95ca
BDA問題とブッシュ政権内の暗闘
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/7fabdae0a59f59aed1d34dc8a43972ae
北朝鮮が実験用黒鉛炉の無能力化中断を通告 IAEAが報告書
2008.9.4 09:35
国際原子力機関(IAEA)は北朝鮮核問題に関する報告書を3日までに加盟各国に配布し、北朝鮮が寧辺の実験用黒鉛減速炉(五千キロワット)の無能力化作業を中断するとの通告を先月18日に受けたことを明らかにした。
共同通信が入手した2日付の報告書によると、対象計五施設のうち、実験用黒鉛減速炉以外については「停止状態の監視を継続」(核燃料加工施設)「2002年以降、建設作業は行われていない」(建設中の5万キロワットと20万キロワットの黒鉛減速炉)などとしている。
しかし、実験用黒鉛減速炉については8月時点で使用済み燃料棒の半分以上が取り出され、隣接の貯蔵プールに移されたとする一方で、無能力化中断の通告を現場で受けたことを明記。監視・検証作業は継続しているとした。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080904/kor0809040942002-n1.htm
何度も言うが、北朝鮮は決して核開発を止めることは無い。それは、周辺国に対する恫喝の有力手段であると共に、同国国内にあっては金正日政権を延命させる唯一の道具になっているからだ。1990年代の初期から、それは同政権の一貫した姿勢であって、資源国リビアとは根本的に違う。コンドリーザ・ライス女史は、それを分かろうとしない。
クリントン政権の末期と現小ブッシュ政権末期は、対北朝鮮政策に関し誤判断を持った点で共通している。二国間交渉では北朝鮮に翻弄されるだけ、多国間交渉でも同じ状況になることを<六者協議>参加国は認識すべきだ。金正日政権を倒さない限り、北朝鮮から核を取り除くことは出来ない。
金正日政権に対しては、デタント的融和策は意味が無い。これを打倒するには、
○ハードな方法:サージカル・ストライク(米軍が要衝地点へ集中爆撃)
○ソフトな方法:完全経済封鎖
が有力であることは言を待たない。
現在、ハードな方法を取るには、国際金融資本により経済的に追い詰められた韓国への影響が大き過ぎる。それに、韓国軍戦闘力はノムヒョン前大統領により、物心共に弱められてしまった。シナも、北朝鮮人民の大量越境流出を恐れるだろう。ロシアは、領土確保が大好きだから、ハードな北朝鮮潰しに悦んで参加し、北朝鮮領土を部分的に支配する権利を得ようとするだろう。だが、只今はグルジア問題があるから米国と話し合う余裕がロシアには無い。日本は、超法規的措置を覚悟しない限り、自衛隊を北朝鮮空爆に参加させることが出来ない。
平壌と核開発拠点をピン・ポイント攻撃されたら、金正日政権は怒り狂い、報復として韓国へ武力進出、また日本の拉致被害者を全員抹殺する可能性もある。こうした事は、先行きを十分に読みながら進めなければならぬ。加えて、米国の経済状態を考えると、ハードな方法を採用するには時機を失してしまった。無意味な<六者協議>に拘り過ぎたのだ。
ここは、ソフトな手段を継続し、経済制裁を着実に強めるのが一番である。今、北朝鮮はへとへとになっているのだ。だから、米国はウラン情報を含めて核問題を明確にさせることをじわりと続ける。一方、日本は拉致された被害者全員が帰るまでは、更に経済制裁(封鎖)を強め、朝鮮総連を解体させるように動く。国内政治屋で、北朝鮮と連絡したがる代議士達は、次の総選挙で落選させるようにしよう。このような戦略で金正日体制を崩壊させないと、核問題と拉致問題は何時までも先に進まない。
トムとジェリーは、音楽コンサートまでやって仲良くなったように思わせた。トムが揉み手さすり手で、ジェリーを懐柔しようとしたからだ。でも、それは見かけだけで、再び本能に戻って両者は追いかけっこを始めようとしている。トムよ、どうか「窮鼠(きゅうそ)、猫を噛む」の諺を思い出して欲しい。
(参考)
「トムとジェリー」の終わり無きBDA物語
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/1c6297f2f7661e71cfc75a8ba87e95ca
BDA問題とブッシュ政権内の暗闘
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/7fabdae0a59f59aed1d34dc8a43972ae
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