匂い

若い頃は「汗臭い」「男臭い」と云われても、男の勲章くらいにしか感じていなかったので気にもとめなかったが、歳をとると「老人臭がする」などと蔑まされるようになり、だんだん人前に出るのが気後れするようになる。「老人臭」が一体どんな臭いなのか自分には分からないけれど、同居のお友達（カミさん）からは「注意しなさいよ！」とキツク言われているから、取り敢えずシャワーだけは頻繁に浴びて常に清潔だけは保つようには努めているが、見えない敵を相手にするのは骨が折れる・・・

ニオイに対して余り敏感とはいえない自分ではあるけれど、確かに他人の体臭とか嫌いなタバコのヤニ臭さ、口臭などは、込み合う電車の中等では辟易ものである。
そういえば早朝ジョギングしていて気付いたことであるが、走っている田圃の中の道は（特に早朝）空気が澄んでいるので自然の「匂い」以外気になる臭いは一切無いのだけれど、数軒ある農家の脇を通るとき微かに「人家」の臭いがして自然の中の異質なものを感じてしまう。昼間は多分気付かないか、あまり気にならない程度の微かの「臭い」なのだろうけれど、朝はそれを感じるのである。だとすると、自分では気付かないだけで、やはり「老人臭」というものも実際に在るのかも知れない。

その点、もも（我が家の猫）はいいなあ。フロにも入らず、もっぱら自分の舌で体を舐めているだけなのに、嫌な臭いが全くしない。不思議なことである。


やはり匂いは「花」にかぎる！