テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ヒトか、狼か、それが……。

2009-07-07 22:10:26 | ブックス
 ……ふっふっふっ、皆さまぁ~、
 恐怖と悲鳴が交錯する戦慄の読書ランドへ本日もようこそぉぉ~……

「ひィィィ~~~ッ!
 ネーさのォ、おばかァ! こわいのォ、きらいィッ!」

 テディちゃ、落ち着いて下さいな。
 前回の記事ではオカルト専門TV局の物語を
 御紹介いたしました……が!
 今回は、はいっ、こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 人狼伝説 ――


 
 著者はセイバイン・ベアリング=グールドさん、
 英原題は『The Book of Werewolves』、
 日本語版副題には『変身と人食いの迷信について』とあります。

「ひィィ! おおきゃみィおとこォ!」

 こちらの御本、小説ではありません。
 とても真面目な研究書、
 しかも、発行されたのは……
 1865年!

「ひィィ――……むきょッ?
 せんはッぴゃくゥッ……??」

 そうです。
 せんきゅうひゃく、ではなくて、せんはっぴゃく。
 紛うことなき19世紀真っ只中の、
 今から150年近くも昔に英国で出版されたものなのです。

 著者のベアリング=グールドさんは
 聖人研究家にして賛美歌作者、
 民俗誌家、小説家、宗教哲学者でもあった大作家さん。
 この『人狼伝説』は、
 欧州に於ける人狼伝説を緻密に分析・研究したほぼ最初の、
 非常に重要なテキストと言えましょう。

「ふァ~、けんきゅうのォ、ほんッ?」

 蒸気機関が発明され、
 夜の街路をガス灯が照らし、
 地図の空白が消えてゆく
 科学の時代――ヴィクトリア朝。
 その一方で、吸血鬼ストーリーがヒットし、
 霧の海を彷徨う幽霊船が目撃されます。

 そして、現代。
 リニアモーターカーの実用化が近付き、
 人工衛星が軌道をめぐり、
 地図の空白はとうに無く。
 しかし何故か、ヴァンパイヤ小説は大人気で、
 ゾンビも狼人間もホラー映画の常連さんです。

 150年で、何が変わったのでしょう?

「ふむゥ~、えェ~とォ……?」

 人狼伝説や変身譚を中心に
 ヨーロッパ各地に伝わる伝承や記録を集めたこの御本は
 見方によっては……
 欧州版『遠野物語』かも?

 後世に大きな影響を与えた名作、
 活字マニアを自認する方々に、おすすめです!

「ふァ~、こわいィごほんでなくてェ、よかッたでスゥ~」

 いえ、怖くなくもない、ですね。
 なんたってノンフィクション、
 収録されているエピソードには《事実》の重みがズシンと!

「ひィィィィ~~~ッ!
 こわいィのォ~、やッぱりィ、ぱすゥ!でスッ」 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする