作者が当時(1986年から1990年ごろ)気鋭だったサル学者と雑誌上で連続対談したのをまとめた本の中で、この対談が一番衝撃的な内容でした。
ご多分に漏れず、私もこの本を読むまでは、ニホンザルの群れはボスザルを中心とした同心円構造を持っていると思っていました(それらに言及していた伊谷純一郎の「高崎山のサル」は、学生時代の愛読書でした)。
ところが、ボスザルは、高崎山などの餌付け群における餌場という狭い空間で餌を取り合う力関係から想像した幻に過ぎないことを、伊沢氏が白山における自然群の観察から明らかにしたのでした。
サルは群れの中でも、あるいは群れ同士でも親和的で、競争関係を持たないことを証明し、さらに狩猟民を観測したところによると、本来は人間もサルと同様に親和的で競争的ではないことを知って、目からうろこが落ちる気がしました。
ご多分に漏れず、私もこの本を読むまでは、ニホンザルの群れはボスザルを中心とした同心円構造を持っていると思っていました(それらに言及していた伊谷純一郎の「高崎山のサル」は、学生時代の愛読書でした)。
ところが、ボスザルは、高崎山などの餌付け群における餌場という狭い空間で餌を取り合う力関係から想像した幻に過ぎないことを、伊沢氏が白山における自然群の観察から明らかにしたのでした。
サルは群れの中でも、あるいは群れ同士でも親和的で、競争関係を持たないことを証明し、さらに狩猟民を観測したところによると、本来は人間もサルと同様に親和的で競争的ではないことを知って、目からうろこが落ちる気がしました。
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