現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

立花 隆「ボスザルは存在しない 伊沢紘生」サル学の現在所収

2019-01-22 09:32:56 | 参考文献
 作者が当時(1986年から1990年ごろ)気鋭だったサル学者と雑誌上で連続対談したのをまとめた本の中で、この対談が一番衝撃的な内容でした。
 ご多分に漏れず、私もこの本を読むまでは、ニホンザルの群れはボスザルを中心とした同心円構造を持っていると思っていました(それらに言及していた伊谷純一郎の「高崎山のサル」は、学生時代の愛読書でした)。
 ところが、ボスザルは、高崎山などの餌付け群における餌場という狭い空間で餌を取り合う力関係から想像した幻に過ぎないことを、伊沢氏が白山における自然群の観察から明らかにしたのでした。
 サルは群れの中でも、あるいは群れ同士でも親和的で、競争関係を持たないことを証明し、さらに狩猟民を観測したところによると、本来は人間もサルと同様に親和的で競争的ではないことを知って、目からうろこが落ちる気がしました。

サル学の現在
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平凡社
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老人児童文学

2019-01-22 09:27:34 | 考察
 最近の児童文学の同人誌では、老人が出てくる作品が増えています。
 それは、児童文学の書き手が高齢化しているとともに、元気な高齢者が増えてこれから児童文学の創作をやりたいという方が増加しているからでしょう。
 私は、それらの作品を老人児童文学と呼んでいますが、中には子どももまったく出てこないし、子どもの読者を想定して書かれていないものもあり、これらは純粋に老人文学といえるでしょう。
 私はそういった分野には疎いのですが、老人文学を対象とした同人誌はないのでしょうか?
 こういった作品を、真の意味で共感して読めるのは、同じような境遇のお年寄りか、そういった親を持つ子どもたち(四十代、五十代、場合によっては六十代)でしょう。
 ご存知のように、日本では超高齢社会化が進んでいるのですから、そういったお年寄り向けの同人誌や雑誌を作ったら、おそらく成功することでしょう。

絵本・児童文学における老人像―伝えたいもの伝わるもの
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グランまま社
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奥田英朗「噂の女」

2019-01-22 09:26:13 | 参考文献
 男好きのする肉感的な魅力を持つ女が、色仕掛けと関係を持った男たちを次々と殺すことによって(これもあくまで噂として描かれていますが)、次第にのし上がっていく姿を描いています。
 強引でご都合主義なストーリー、偶然の多用、平面的な(一面的な性格付けがなされている)キャラクター設定、官能的なシーンなど、典型的なエンターテインメントの手法で書かれた作品です。
 島田雅彦の「傾城子女」(その記事を参照してください)も同じような官能的な女性を通俗的に描いた小説ですが、さすがにエンターテインメントの腕前は作者の方が上のようです。
 題名通りに、いろいろな人物の視点から、この女の噂を連作短編のような形で描いていくのですが、ところどころではこの女の実際のアクションが描かれていて、手法としては中途半端な感じでした。
 また、警察がこの女の連続殺人(?)の捜査を始めて、女が姿を消すところで作品が終わっていて消化不良でした。
 それに、この女のした犯罪を、複数の女性たちが共感を持っているように描かれているのは、作者の歪んだジェンダー観が現れていて不快でした。
 それにしても、作者は生まれ故郷の岐阜が憎いらしく、徹底的に悪意を持って猥雑で後進的で腐敗しているように描いていて、「地元に帰った時に大丈夫かな」(もう帰る気はないのかもしれませんが)と他人事ながら心配になってしまいます。

噂の女
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新潮社
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アーロン・チェア

2019-01-22 09:23:13 | 参考情報
 2012年の2月に大学院に進学せずに在野(日本児童文学学会と宮沢賢治学会の会員にはしていただきましたが)で児童文学の研究することを決め、そのために自宅の四畳半を書斎にするための投資をしたことは別の記事で書きました。
 その中にでてきたアーロン・チェアについて説明しておきます。
 書斎にするまで、その狭い部屋に、パソコンチェア、ライティングデスクの椅子、オットマン付きのリクライニングチェアと、三つもの椅子があり、狭苦しくて機能的ではありませんでした。
 そこで、それらをすべて撤去して、三つの役目を兼ね備えられる書斎チェアを、真っ先に検討しました。
 条件としては、パソコンデスクでパソコンを操作する、書き物や読書などの作業をライティングデスクでする、テレビを見る、音楽を聴く、といったすべてのことを一台ででき、人間工学的に優れていて、疲れが少なく、肩こり、腰痛などを防止できるものです。
 これらの条件をクリアできる椅子を、ネットで検索したり、ショールームで実際に座ったりして検討しました。
 そこで最も気に入ったのが、ハーマンミラーのアーロン・チェア(AE113AWBPJG1BBBK3D01)でした。
 パソコンなどの作業の時は、やや前傾姿勢で固定できて背あてで腰も固定して良い姿勢が保てます。
 南側の掃出し窓の両側にパソコンデスクとライティングデスクを向い合せに置いて、それらの間にアーロン・チェアを設置したので、座ったまま反転移動ができます。
 テレビを見たり、音楽を聴いたり、キンドル(その記事を参照してください)を読んだりして、リラックスするときには、リクライニングもできます。
 ヘッドレストがないのが少し気になりましたが、ヘッドレストは首や肩にかえって良くないらしいことと、その分軽量になって移動がスムーズになるので、このタイプを選びました。
 値段は安いオフィス・チェアの10倍以上もしますが、以下のように試算してみて最終的に購入を決めました。
 通常は毎日10時間以上もこの椅子に座りますので、年間3000時間以上で使用料を一時間10円とすると、年間三万円以上です。
 アーロン・チェアの製品保証は五年と長いので、十分に元が取れます。
 使ってみると効果は絶大で、長時間のパソコン作業などで長年悩まされてきた肩こりや腰痛がすっかり解消しました。
 また、不要な椅子類を撤去できましたので、部屋が広々として北側に並べた本棚へのアクセスもしやすいし、東側の出窓に並べた大小11鉢の観葉植物を気分転換に眺められて、作業効率が大幅にアップしました。
 部屋の中に障害物がないので、光熱費も削減できました。
 以上のように、いろいろな面で研究や創作作業の効率アップにつながっていると思います。
 
 
アーロンチェア ポスチャーフィットフル装備 グラファイト/クラシック Bサイズ AE113AWBPJG1BBBK3D01
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HermanMiller (ハーマンミラー)
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