1981年に「マンガ少年」に連載された短編です。
「ループ物」といわれる時間SFの1ジャンルに属する作品で、繰り返される時間(この作品の場合は約三十年間)における主人公の苦悩(自分で自分を殺し続ける、凶暴な父親との葛藤、男性として育てられた女性の苦しみ、戦国武将である父親による被害者たちの救済(火の鳥の羽を使って怪我を直す)など)を描いています。
こうした「ループ物」のテーマは、いかにしてこの時間ループを抜け出すかなのですが、この作品では永遠の生命を持つ「火の鳥」らしく最後まで抜け出しません。
ただ、火の鳥の羽による救済の対象が、だんだんに妖怪(人間に虐げられている物の象徴でしょう)になって、有名な土佐光信の「百鬼夜行絵巻」に結び付けています。
「百鬼夜行」と言えば、中学三年になる前の春休みに、友人たちと四人で「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」を見にいった時の併映作品だった「妖怪百物語」のことを、今でも思い出します。
一回目の上映が「妖怪百物語」で、早朝のせいか、観客は私たち四人だけで、わざわざ最前列の真ん中に並んで腰かけて見た妖怪映画は、あたりに誰もいないせいか格別の怖さでした。
そのラストシーンが、登場した妖怪たちが深夜の町を練り歩く「百鬼夜行」のシーンでした。
上映が終わって場内に明かりがついいた瞬間、私たちは映画以上にびっくりして飛び上がってしまった。
いつのまにか、私たち四人はたくさんの観客に囲まれていたからです。
メインの「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」をいい席で見ようと、いつの間に他の観客たちが入ってきていたのでした(当時は、場末の映画館では全席自由席で途中入場もOKだったので、席を確保するためにこのようなことは日常的に行われていました)。
「百鬼夜行」に夢中になっていて、私たちは他の人たちが入ってきていることに、全く気付かなかったのです。
「ループ物」といわれる時間SFの1ジャンルに属する作品で、繰り返される時間(この作品の場合は約三十年間)における主人公の苦悩(自分で自分を殺し続ける、凶暴な父親との葛藤、男性として育てられた女性の苦しみ、戦国武将である父親による被害者たちの救済(火の鳥の羽を使って怪我を直す)など)を描いています。
こうした「ループ物」のテーマは、いかにしてこの時間ループを抜け出すかなのですが、この作品では永遠の生命を持つ「火の鳥」らしく最後まで抜け出しません。
ただ、火の鳥の羽による救済の対象が、だんだんに妖怪(人間に虐げられている物の象徴でしょう)になって、有名な土佐光信の「百鬼夜行絵巻」に結び付けています。
「百鬼夜行」と言えば、中学三年になる前の春休みに、友人たちと四人で「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」を見にいった時の併映作品だった「妖怪百物語」のことを、今でも思い出します。
一回目の上映が「妖怪百物語」で、早朝のせいか、観客は私たち四人だけで、わざわざ最前列の真ん中に並んで腰かけて見た妖怪映画は、あたりに誰もいないせいか格別の怖さでした。
そのラストシーンが、登場した妖怪たちが深夜の町を練り歩く「百鬼夜行」のシーンでした。
上映が終わって場内に明かりがついいた瞬間、私たちは映画以上にびっくりして飛び上がってしまった。
いつのまにか、私たち四人はたくさんの観客に囲まれていたからです。
メインの「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」をいい席で見ようと、いつの間に他の観客たちが入ってきていたのでした(当時は、場末の映画館では全席自由席で途中入場もOKだったので、席を確保するためにこのようなことは日常的に行われていました)。
「百鬼夜行」に夢中になっていて、私たちは他の人たちが入ってきていることに、全く気付かなかったのです。
![]() | 火の鳥3 ヤマト・異形編 (角川文庫) |
クリエーター情報なし | |
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