男好きのする肉感的な魅力を持つ女が、色仕掛けと関係を持った男たちを次々と殺すことによって(これもあくまで噂として描かれていますが)、次第にのし上がっていく姿を描いています。
強引でご都合主義なストーリー、偶然の多用、平面的な(一面的な性格付けがなされている)キャラクター設定、官能的なシーンなど、典型的なエンターテインメントの手法で書かれた作品です。
島田雅彦の「傾城子女」(その記事を参照してください)も同じような官能的な女性を通俗的に描いた小説ですが、さすがにエンターテインメントの腕前は作者の方が上のようです。
題名通りに、いろいろな人物の視点から、この女の噂を連作短編のような形で描いていくのですが、ところどころではこの女の実際のアクションが描かれていて、手法としては中途半端な感じでした。
また、警察がこの女の連続殺人(?)の捜査を始めて、女が姿を消すところで作品が終わっていて消化不良でした。
それに、この女のした犯罪を、複数の女性たちが共感を持っているように描かれているのは、作者の歪んだジェンダー観が現れていて不快でした。
それにしても、作者は生まれ故郷の岐阜が憎いらしく、徹底的に悪意を持って猥雑で後進的で腐敗しているように描いていて、「地元に帰った時に大丈夫かな」(もう帰る気はないのかもしれませんが)と他人事ながら心配になってしまいます。
強引でご都合主義なストーリー、偶然の多用、平面的な(一面的な性格付けがなされている)キャラクター設定、官能的なシーンなど、典型的なエンターテインメントの手法で書かれた作品です。
島田雅彦の「傾城子女」(その記事を参照してください)も同じような官能的な女性を通俗的に描いた小説ですが、さすがにエンターテインメントの腕前は作者の方が上のようです。
題名通りに、いろいろな人物の視点から、この女の噂を連作短編のような形で描いていくのですが、ところどころではこの女の実際のアクションが描かれていて、手法としては中途半端な感じでした。
また、警察がこの女の連続殺人(?)の捜査を始めて、女が姿を消すところで作品が終わっていて消化不良でした。
それに、この女のした犯罪を、複数の女性たちが共感を持っているように描かれているのは、作者の歪んだジェンダー観が現れていて不快でした。
それにしても、作者は生まれ故郷の岐阜が憎いらしく、徹底的に悪意を持って猥雑で後進的で腐敗しているように描いていて、「地元に帰った時に大丈夫かな」(もう帰る気はないのかもしれませんが)と他人事ながら心配になってしまいます。
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