日本・ベルギー・英国 喫茶モエ営業中
Brugge Style
おもちゃとおもいで
義理両親の近くの教会でバザーをやるので、娘が使わなくなったものを出品してはどうかと言われた。
赤ちゃんの頃のおもちゃ、本、自転車、などなど。
娘は自分が売り手になるということに大変な魅力を感じたようで、屋根裏を整理していた。
バザー前夜、義理父が出品物の回収にやってきた。
バスケットの中にはわたしが買ってやったおもちゃ(当時おもちゃのセレクトに情熱をかけていたんですよ。ええ、初めての子でしたからね...)がいくつか入っていた。
引っ張って歩く木製の犬
手押しの木製うさぎ
ドからソまでしかない木琴
布製のノアの箱船
その夜、泣けてきた。料理をしながらメソメソしていた。
夫が義理父に電話をかけて、自転車以外は売らないように、と伝えた。
使わなくなったものは屋根裏に打ち捨てておくのではなく、必要な人が使えるように回すべきである。わたしもそう思う。
それなのに、オレンジ色の耳をしたうさぎが行ってしまうのが耐えられないほどに悲しかったのである。
わたしはいったいこれらのものに何をオーバーラップさせているのだろう。
プラスティックのキャラクター人形にはどうぞ出て行って下さい、という感じなのに(笑)、なぜ、びっくり眼をした犬にはその尾っぽにすがっていってしまうのだろう。
秋がひたひたと迫って来ているからではなく、わたしがトシをとったからではなく、すでにワインを飲んでいたからではなく?
赤ちゃん時代の思い出というものはこのようにモノに宿るのか?渦中にいる時、母は大変すぎてそれを味わう間もないものだからか?
娘が家を出た後、屋根裏のおもちゃを見ながらまた泣くのだろうか。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
秘密の花園
運河沿いのオランジェリーつき秘密の花園を見せてもらった。
代々裕福な商人家族の所有だったのが、20世紀末には維持が困難になり、現在は市の持ち物だ。
現在では80人分ほどの食器が揃えてある地下キッチンも備え、200ユーロほどで誰でも借りられるそうだ。
ケータリングを頼んで、カルテットを頼んで、てるてる坊主に晴天を頼んで...
日本に住んでいた90年代、親友と異業種交流のグループを主催していた。そしていつも難航するのが会場選びだった。
こういう「場所」だけを貸してくれる、しかも優雅なセッティングのロケーションがあったら重宝しただろうなあ、と思う。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
次ページ » |