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Brugge Style
それでもこの世は美しい
娘、1年と数ヶ月後の高等学校卒業前に、音楽キャリアの集大成として、ピアノ・コンチェルトを弾かせてもらえることになった。
これから1年間、勉強と並行して猛特訓。
コンチェルトを弾かせてもらえるのは、この組織では普通は、大学で音楽を専攻する生徒から選ばれる特権なのだが、今までの経験と結果を鑑みてオッファーが来、大変な名誉なのだ。
学校も、ピアノの先生も、昔のピアノの先生も、もちろんわたしたち親も、親戚一同、とても喜んでいる。こんな機会はなかなか巡ってこないもの。
娘の故郷ブルージュで記念パーティをしてしまうかも!
同時に、大学で音楽を専攻するつもりのない娘がピアノを集中して練習するのは、大学入学までのあと1年ちょっとなのかという寂しさ悲しさも湧いてくる。
あと1年でこのピアノ・コンチェルト、ベートーベンの「熱情」、ラヴェルの「鏡」組曲、その他を完成させたらもう...
というわけで、一念発起、娘から引き継いでわたしがピアノを本格的に習うことにした。
この家でコンスタントにピアノを弾く人がいなくなると想像したら、ピアノもわたし自身もぽつんと寂しそうに見えるからだ。
ピアノの先生についてもらうの、何十年ぶりだろう...
まずは楽譜が見えない。老眼鏡を新調せねば。
60歳、いや70歳になったとき、今の娘が弾いているようなレパートリーが弾けたらなあ(絶対無理だが志は大きく)!
この世の中が耐えられないほどの理不尽さ醜さ不公平にあふれていると感じるとき、ベートーベンやバッハやブラームスを聴くと、この世の中にはまだこんな美があるのだと、わたしは感じることができる。
クラシックバレエもそう思わせてくれるもののひとつだが、まさか今から人前で踊れるようには20年かけてもなれないだろうし、こちらは見るだけで十分。
みなさんそれぞれに、苦しいとき辛いとき、なお世界は美しいと肯定できるようなものが日常にあると思う。
そういう世界の「美」を大切にして毎日を生きていこう!
(昨日は引っ越し後、最初の調律師さん訪問があったのでご機嫌だった)
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