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夏休み明けのブルージュ



何はなくともVan Mullenのクロワッサン。


インドネシアからイングランドへ帰り、夏休みのしめくくりは帰省先、ベルギーのブルージュで。




新型コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻によって、観光都市は大打撃を受けたようなのが、商店街の歯の抜け方からもうかがえる。
薄汚れたショウウインドウに貼られた「賃貸」の張り紙が侘しい。

営業中の店内は、店によっては、季節の商品の並び替えをしているのか物が少ないのか、よく分からないところもある。
棚には、「この店ってこういうものを扱っていたっけ?」というような安物を置いてあったりし、もの悲しい。
売り手も買い手も懐具合が寂しいのか...

マーケットが縮小する中、企業は利益を追求するため賃金などのコストをカット、結果、生活が苦しくなった労働者=消費者はさらに安い商品を求める、という負のスパイラル。

この負のスパイラルは、グローバル・サウスの労働者(国内にもグローバル・サウスはある)を搾取し、彼らの暮らしや地球環境を破壊し続けている。これが「豊かな先進国」の現実だ。




ホテルは経営陣を変え、化粧直しし、客の復帰を狙って部屋を増築したり、これから取りかかる向きもあるようだが、大丈夫なのだろうか。

銀行が入り、投資されるとなるとコンサルが入り、「この大きい庭は何のカネも産まないけれど、ここに25室を新築したらそれだけのカネが入ってきますよ...」「”ブルージュ”がブランドであるうちに、あとひと儲けしませんか」てな悪魔の囁きをしたのだろう。


ブルージュといえば、14世紀以降は忘れられた地方都市に成り下がってしまったが、ベルギー国内ではいまだに最も経済状況や生活水準の高い地域ではある。その街で余所者のわたしがそんな心配をしてしまう、秋の入口。




それでも9月1日は学校が一斉に始まる日だった。
放課後の日に焼けた子供たちが、三々五々ワッフルやアイスクリームを立ち食いしていたり、雑貨屋さんで可愛いペンやノートを物色しているのとすれ違うのは大変好ましかった。



義理の母のおすすめのCantine Copin。
アタクシが飲んでいるのはノンアルコールのベルギー・ビール。大変美味であった。


しかも今回は久しぶりに手頃でおいしいレストラン、「明日にでもまた食べに来たいくらい!」というレベルのお店を発見。オープンキッチンで女性オーナー・シェフ!
ブルージュの旧市街の外ではあるが、足があるなら(歩いたら30分くらいかかる)超おすすめです。



こちらのタコ、最高だったよ...



旧ブラシ工場という建物もいい。どんなブラシを作っていたのかなあ...絵筆? ホウキ? ヘアブラシ? タワシ? 歯ブラシ? 
こういう産業がブルージュにもどってきたらいいなあ。
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