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夏の扉




神戸 旧居留地 海岸通 
2019年 盛夏



聖子ちゃんの「夏の扉」じゃないですよ、ハインラインのSF、”The Door into Summer” の方です。
80年代ポップス「夏の扉」も思いっきり素敵ですけどね。


わたしがどっぷり浸かって育った昭和のハイカラ神戸と家庭には、外国人居留地を含めた19世紀の阪神間モダニズム文化が濃く残っていた。
その空気だけではなく、その時代の建物や文物も現存していたし、生き証人もまだたくさんいたのである。

のちの80年代には戦後経済が結実、旧居留地も北野町も大きく見直され、ちょうど青春ど真ん中だったおかげで、その復活の恩恵に預かったのだった。

古典主義の旧居留地
安藤忠雄の北野

といったところか。
今でもこの辺りの話をするだけで胸がしめつけられるようになるし、写真を見るとわくわくする気持ちが抑えられない。

一体何がそんな気持ちを引き起こすのか、あの頃に帰って確認してみたい...しかし「はいこれ」と具体的に取り出して確認できるようなものではないのだろう。


「夏への扉」の重要登場人物である猫のピートが「扉のうちのどれかが明るく楽しい夏へと通じている」と信じて疑わなかったように、わたしはあの頃でさえも、旧外国人居留地の古典主義の重厚な「ビルヂング」の先の海の方には、さらに明るくさらに楽しい、さらにすばらしい夏が待っていると信じて疑わず、もどかしさすら感じていたのだろう。

もちろん、今も全く同じ気持ちで海の方を眺めている。
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