もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

雪の中の「ぼちぼち村」

2009-12-22 22:36:58 | Weblog
 昼から、辛しれんこんを洗いに「ぼちぼち村」へ。
 山は、すっかり雪をかぶった。
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 「ぼち村」の入り口は、30センチくらいの積雪。
 心配した通り、車では下りられない。
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 歩いて下りるとすっぽり。

 今日は諦めて、釣り堀へ。
 話をすると、オーナのTさんが雪はきをしてくれることになった。
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 たちまち地肌が現れた。
 車検が済んで、新品になった冬タイヤで楽々下ることができた。
 
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 おかげで、暗くなる前に荒い終えることができた。
 感謝!

「衆議院議員との懇談会」と「宮城環境税説明会」

2009-12-21 22:27:28 | Weblog
 午後、わが町の“母親連絡会”が、隣の選挙区で当選したH衆院議員を呼んで懇談会を開くというので参加させてもらった。

 先ず、自己紹介を兼ねて所属する委員会について説明をし、国会の動きについて話してもらった。
 その後、こちらから「障害者自立支援法」、「子ども手当て」、「学力テスト」、「後期高齢者法」のそれぞれの廃止を要求し、民主政権の現状を訊いた。

 「子ども手当て」については所得制限を設けることになると言ったが、今日の夕方のニュースでは、鳩山首相は制限を設けないと発表。
 
 驚いたことが一つ。
 「自立支援法」が作られるとき、障害者の8団体のトップはこぞって賛成し、現場の意見と反対だったという。忘れていたのかもしれないが、みんな驚き!<emoji code="a006" />資料を提供してもらうことになった。
 政権交代後3ヶ月だからやむを得ないが、柱になるものが決まっていないような感じを受けた。
 1時間という制限だったので深めることはできなかったが、このような機会が作られたことは良かったと思う。

 その後、宮城県環境税についての第1回説明会が合同庁舎で開かれていたので、30分遅れで出席。
 ちょうど説明に入ったところだった。
 CO2削減のため森林の造成や木材の活用、自然エネルギーの推進、環境教育の部位神などを進めるために、5年間で100億円いるという。
 その100億のうち、80億を県民に負担をしてもらいたいというのがこの趣旨のようだ。
 この内訳は、一人月100円、年間1,200円。これを市町村民税に加算して徴収する。他に企業からも。
 という提案。

 質疑応答では、さっそく主催者が依頼したと思われるNPOの代表と他に2人から賛成意見が出されたが、丸森町からの参加者から、知事はわが身は削らないでいて県民に負担を押し付けるだけ。無駄を削れば捻出できるのではと厳しい意見。角田市の女性も反対を表明した。

 今日の参加者は150名とのこと。
 白石市からは大型バスで。土建会社や建築関係の社員と思しきネームの入った人たちの姿が目についた。県がよくやる動員だ。がっかりするなぁ・・・<emoji code="a004" />               
 夕方のNHKローカルニュースでは、厳しい意見が出されたと報道していた。
 この説明会は、これから県内を巡回する。
 宮城県政は、自動車産業の誘致には税金投入を惜しまないが、県民にはもっともらしい理由をつけては税金を取り立ててくる。今後の動向を見守る。

ハクチョウの来る河畔

2009-12-21 11:30:21 | Weblog
 昨日の3時過ぎ、蔵王町宮の白石川の上空をハクチョウの群れが下りていった。

 そこは、仙南地方でもっとも餌づけが盛んだった所。
 久しぶりに寄ってみた。
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 いたいた!<emoji code="a001" />
 川の向こうはJR東北線。この先に堰堤があって、ここは淀みになっている。

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 また5・6羽戻ってきた。
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 男の子が餌の袋を持って駆け下りた。男の子は、主人公になっていた。
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 カモの群れがどんどん寄ってくる。川の中ほどからも。ほとんどがオナガガモ。
 
 ハクチョウは、多くがその場を動かなかった。
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 中洲の浅瀬で立っている群れ。
 左側はコハクチョウ(嘴が黒い)。右側はオオハクチョウ(嘴は黄色い部分が多い)。
 灰色っぽいのは若鶏。

 去年は鳥インフルエンザで餌やりも騒がれたが、今年は新型インフルエンザで緩和されたのかな・・・野生のもの、つかず離れずがいいと思う。

施設の「クリスマス音楽会」

2009-12-20 19:52:21 | Weblog
 午後、息子のタカが入所している“陽光園”の食堂で「クリスマス音楽会」が開かれるというので早目に連れて行った。
 ボランティアでやってきたのは「白石市民吹奏楽団」の人たち。
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 「ジングルベル」と「赤鼻のトナカイ」のクリスマスソングでオープン。
 ところが、誰も乗ってこない。みんな成人だからかな?
 指揮者兼司会者はちょっと慌て気味。

 次の曲は「なだそうそう」。
 この曲になったら、隣に座っていたタカが上半身を揺すりだし手で拍子をとりだした。
 のりのりの表情だ。他の園生もそれぞれにのりのりになっている。

 次は「世界に一つだけの花」そして「はな」(沖縄の)と「上を向いて歩こう」。
 職員たちが踊りだす園生に声をかけて前に誘う。
 我が家のタカは一番乗り。もう顔いっぱいのタカスマイル。
 みんな手拍子で盛り上がった。<emoji code="a002" />
 
 最後は「お正月」を合唱して終わったが、直ぐアンコールの連呼。
 それに応えて「世界に一つ・・・」と「上を向いて・・・」をアンコールしてもらった。
 心温まる、楽しい音楽会だった。<emoji code="a001" />

 
 この園は、園生の音楽活動などの趣味の活動がないのが寂しい。
 余裕がないのだろうが、工夫すれば不可能ではない。
 先日は、延長に映画「オハイエ!」の話をしてプロモーションDVDを渡しておいた。
 折々に働きかけていこう。

「辛しれんこん」用のれんこんが届いた

2009-12-20 11:53:56 | Weblog
 昨日「辛しれんこん」用のれんこん50キロが、熊本から届いた。
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 去年から同級生のF君の知り合いのMさんから仕入れている。
 さあ、今年も恒例の正月用「辛しれんこん」作りのはじまり はじまり~!
 
 熊本のれんこんは泥つき。
 先ず、洗って、節を切って、茹でる作業から。これらは「ぼちぼち村」で行う。
 50キロだから大仕事だ。

小川三夫講演「不揃いの木を組む」から(6)口伝を渡す

2009-12-19 21:57:00 | Weblog
 「口伝を渡す」  
 小川さんが、西岡常一棟梁から教わった斑鳩(いかるが)大工に伝わる口伝を紹介したもの。

 「神仏を崇めずして伽藍舎頭を口にすべからず」
 自分たちが建てるのは神や仏の住まい。その神や仏を尊ばずに仕事をするなということ。
 人の住む家は、そこに住む人の考えに合わせるが、御堂や神社は仏様や神様の住まい。
 神や仏は何も言わないが、人々が頼り、安心する場所。
 心のよりどころを造るのだから、心して仕事をせよということ。
 
 「伽藍造営には四神相応の地を選べ」
 伽藍(寺の建物など)を建てる場所や方角は、四神相応の地を選べということ。
 四神とは、東西南北の神々のこと。
 東は青龍(清流)、南は朱雀(建物より少し低い沼や沢)、西は白虎(道)、北は玄武(山や丘を背負った土地)がいいということ。※( )は、土地に当てはめるとこうなる。法隆寺はこんな場所。
 
 「堂塔の建立の用材には木を買わず山を買え」
 堂や塔を建てる木は、一本一本買うんではなく、山丸ごと買えということ。
 その意味の一つは、「自分で山に行って、生えている木を見て使い道を決めろ」ということ。
   製材されてしまった木では、どんな所に生えていたかわからない。「生えていた土壌や環境、風  向きや日の当たる方向、森の端の木か、真ん中の木か、そういうのを知って使え」ということ。
 もう一つは、「同じ山の木で建物一つを造れ」ということ。
 ※この口伝は、次の二つとセットになって意味をなす。
 
 「木は方位のままに使え」 
 木は根付いたところで育つ。そこの環境や土壌から制約を受ける。
 風当たりが強いと、枝はちゃんとしようとする。それが木の癖になる。
 日の当たる方には枝が多くでる。つまり節が多くなる。
 「こんな木は、日の当たっていた方をそのまま日の当たる方向に使え」ということ。

 「堂塔の木組みは寸法で組まず木の癖で組め」
 「木の癖を生かして建物を造れ」ということ。
 右捻れの木に左捻れの木を組み合わせれば、より丈夫にがっしり組み合わせられる。
 昔は民家でも癖のある木や曲がりの木でも使ったが、今は使えなくなった。嘆かわしい話だ。
 資源がない、木を大事にしろと言いながら、やっていることは全く反対だ。

 これは、人間にも言える口伝。
 木にも人にもそれぞれ癖がある。
 その癖を見抜いて生かしやるのが勤め。
 木は、山を見れば癖がわかるし、寝せておけば癖が出てくる。
 人は、いっしょに飯を食い、暮らし、仕事をしていると癖がわかる。
 「癖は才能だから、生かさなければならない。」
 
 「木でも若い木は暴れる。年齢のいった木は暴れが少ない。全く人間と同じだ。」
 その癖をなかったことにして、みんな同じ人間にしようとしているのが現代だ。
 木は一本一本違う。それを「木」で一括りにして、工場製品のように扱おうとしている。
 
 効率第一主義で考えると、癖は無駄として無視される。
 そんな社会では、“子どもの個性を生かす”なんて言葉だけになってしまう。


 その戒めの口伝がある。
 「木の癖組みは工人の心組み」
 大きな建物になれば、大勢の力がいる。大勢集まれば、着せのあるやつが大勢いる。
 「棟梁は人の癖を見抜き、木組みをするように働いてもらわねばならない」のだ。
 
 匠長とは棟梁=リーダーのこと。
 棟梁が工人たちの心を汲んで一つにせねばならないが、大事なのは“思いやり”。
 ここでいう“思いやり”とは、必要なときには厳しく当たることも「叱る」ことも大事な思いやり。

 次の二つもセット。
 「百工あれば百念あり、これを一つに統(す)ぶる。これ匠長の器量なり。百論一つにとどまる、これ正なり」
 「百論一つに止める器量なき者は慎み畏れて匠長の座を去れ」 
 「百人いれば百人の考えがある。これを一つにまとめて仕事を完成させるのが棟梁。それができなかったら、棟梁が自分から役目を下りろ」と言っている。リーダーへの戒め。
 難しいことだが、いっしょに暮らしていれば、考えは一つになっていくもの。

 「諸々の技法は一日にしてならず、祖神達の神徳の恵みなり、祖神忘れるべからず」
 自分達が身につけた技や工法や智恵は、「みんな先人達の経験から生まれたもの。」
 自分は西岡棟梁から育ててもらった。育つ環境を与えられ、今がある。
 西岡棟梁は、法隆寺や薬師寺で飛鳥や白鳳の工人の仕事を見て学ぶことが多かったと言っていた。
 自分が編み出したものなど一つもない。
 
 新しい機械や電気道具ができたが、「手道具を使えて、木の性質を知って」、初めて100パーセント使いこなせるようになる。
 それを力任せに使っている者は、先人達の恩益さえ受けていない可哀想なやつだ。
 「先人に学び、感謝することこそ大事」
 
 西岡棟梁から受け継いだ口伝は、このように職人達をまとめる棟梁たちへの戒めだったが、最後に自分の経験から一つ加えておきたい。
 「人に任せ、人に譲ることで、伝統の技を生きたものとして伝えていけ」
 「古代建築を造り、守ってきた技は文字や数字では残せない。
 人から人へ「手や体の記憶」として受け継いできたもの。
 人に技を記憶させるのが修業。」
 これが「いかるが工舎」を30年率いて、その一端を担ってきたきた者の思い。

 棟梁の憂い
 その時にできる精一杯のことをしてきた。
 だから、後の時代の工人たちは自分たちの仕事を読み取り継いでいけると思う。
 だが、日本には肝心の「木がない」
 それが一番の心配事。
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 (長泉寺・御堂正面)
 これで講演「不揃いの木を組む」のまとめをやっと終わらせることができる。
 まるで、自分の思いを書いたような興奮が残っている。
 それくらい小川三夫の棟梁魂に引きつけられたのだろう。
 
 <追>
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 講演会というと、肩書きをきらびやかに光らせて、自分でやってもいないことなどをもっともらしく並び立てる講演者が多いが、自分の仕事から得たものを飾らず話されたことに大きな共感を持つことができた。
 125名の参加があり、半分以上が建築関係者だったと主催者は発表。
 我々の仲間の講演会で、こんなことは稀なことなのだ。 

昨日の雪は大分解けたが、解けないものも・・・

2009-12-19 15:30:36 | Weblog
 今日は晴れて、昨日の雪も大分解けた。
 
 解けないのは、回覧板のバインダー。
 アレッ?
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 町はこの前ようやく“2008年”の新しいバインダー?にしてくれたので褒めてやったのに、ご覧の通りの年代物が回ってきた。
 大事に使うということは間違いではないけれど、限度もあろうというもの。
 住民が言ったので、一部だけ去年のあまり物をよこしたということか・・・
  
 他の街場の班では、自分たちで買ってやっていると聞いていたがなんとも情けない話。
 こんなささいなサービスができないようでは、「財政難だから、自分たちでやれることは自分たちでやりましょう」なんて言ったって、取り巻き以外からの協力は得られないと思うけどなぁ・・・

小川三夫「不揃いの木を組む」から(5)

2009-12-18 21:20:02 | Weblog
 今日は、雪の中にこもる。
 
 「棟梁ー技を伝え、人を育てるー小川三夫」(文芸春秋社刊)から。
  最終章「口伝を渡す」には、「不揃いの木を組む」ための心構えが詰まっている。
 これをつけ足すのは、広く教師や親や、経営者や働く人たちに自分を振り返ってほしいから。
 
 「口伝を渡す」 
 「組織は生もの」 
 組織は腐りやすいもの・・・30年やってきて見つけた結論
  ・長くいると、甘くなったり威張ったり、不健康になる
  ・共同(体)生活で大事なのは、雰囲気(人間関係)・・・同じ目的を持つこと
  ・上が詰まると組織は腐る・・・下には大きな責任がかかる・・・責任は人を育てる
  ・順番に上が抜けていく・・・常に試練が生まれる・・・それで腐らないですんでいる
 一度は栄えても必ず腐り始める
  ・育った人間を出すのは痛手
  ・腕のいい者ばかりだと、仕事は速い・効率はいい・儲かる・・・しかし、そういうのは要らん
 人というのはそういうもの
  ・上手になれば褒められたい、金も多くもらいたい、休みももらって当然と本人も周りも思う
  ・下の者は尊敬し、命令されたらよく思われようとし、媚びるようになる
 健全な組織であるためにはバランスのいい人間になること
  ・技だけ秀でてもだめ・・・優しさやを思いやる心も・・・そのためにいっしょに暮らして学ぶ
 一番初めに腐るのは、上に乗っているリーダーから
  ・今度は60歳になる俺の番
 満足感は席を譲る合図
  ・埼玉の長久時、宮城の長泉寺、千葉の日本寺とほぼ満足のいく建物・・・経験の花が咲いた感じ  ・これからは、次の奴らが決めること・・・周りをうろうろして口を出してはならん

 「孤にして群れず」 
 基本的に一人でやってきた
  ・○○会などというグループと組まなかったし、学者や研究者とも仲良しにならなかった
  ・そんなのは好きでないし、欲得がないから人を覚えようとしないし話しに行こうともしなかった
  ・自分自身だけが強くなっていればいいと思う
  ・入札にも行かない不気味な存在だと思われている・・・“いかるが工舎”はすごいんだってつく   っておけば社寺建築全体も悪くならないと思う・・・プレハブの社寺を考える人とは組まない
 孤に群れず、羽が道を行く
  ・時流に乗らず、堅実に、後ろ側から歩いてきた
  ・下請けもせず、大きな企業にも頼らず、自分達で仕事を取り、自分達で一切合切全部やってきた  ・仕事が亡くなることはない・・・うちは強い・・・群れたらあかん
  
 ※今夜は冷えるので、施設から帰ってきた「タカ」を風呂に入れるので、「口伝を渡す」は明日に続ける。 

大根の冬囲い完了!来年は ほどほどに

2009-12-17 20:50:30 | Weblog
 朝から晴れた。強い冷え込み。我が家の周りは霜で真っ白。
 なんとしても大根の冬囲いを終わらせようと「ぼちぼち村」へ。
 
 「ぼち村」は、まだら模様の雪化粧。
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 ブロッコリーの頭にわたぼうし。

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 大根を囲う溝には、5センチほどの霜柱。

 昼から雪。
 だんだん本降り。まだら模様はなくなった。
 夕方までかかって、10畝の大根を囲った。
 
 今日の大根は、蒔き時期が遅かったのと間引かなかったので、大きいのは少なかった。
 また、林に近い大根は、ネズミにかじられたものも多い。
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 細いものは、ネズミの越冬食として残した。

 雪が積もると雪の下は暖かいので、ネズミの動きが活発になる。
 囲った大根も、やられてしまうかもしれない。
 それはそれで、けっこう けっこう・・・<emoji code="a001" />
  
 青首が凍みてしまったのもたくさんあった。
 春までには腐れるのも多いかも。
 それもそれで、けっこう けっこう・・・<emoji code="a007" />

 やっと終わった。
 来年は、ほどほどにしよう。

 というわけで、体が冷えてしまったため「不揃いの木を組む」(5)は明日に伸ばします。

小川三夫「不揃いの木を組む」から(4)

2009-12-16 19:54:46 | Weblog
 「不揃いの木を組む」(3)の続き。

 昨日の午後、吉川団十郎さんを訪問。講演のこと、小川さんが建てた角田市の「長泉寺」のことを話した。彼は、すばらしい寺があることを知っていた!<emoji code="a006" />
 それで、急きょ案内してもらって観て来た。
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 思わずそのたたずまいに引き込まれた。

 「任せるというのは」
 任せるということは
  ・“責任”をとらせることであり、“判断”を下させることである。
  ・これが人をつぶすことにもなり、伸ばすきっかけにもなる。
  ・つぶすのは、責任を負わされる時期が悪かったか、器量として無理だったか。任せる側に大きな   責任がある。
  ・立場が人を作る・・・任せることの効用。その裏づけは“責任”
  ・無理して任せてはいけない・・・自然な形で。
  ・任せられる人に気迫と根性がなければ、なかなかできない。
 未熟なうちに任せる
  ・物になるという人には、未熟なときに任せること。そのタイミングを適切に。
  ・任せたら、余計なことは聞いてはいけないし、しゃべってもいけない。
   しゃべったら、言わないでいいことを言うかもしれない。
   黙って、機を見て「できたか」と訊けばいい。任せた以上、それでいい。
 任せられない人
  ・学校で教わったことしかできない人。
  ・他人のせいにして逃げようとするやつ。
  ・責任というのは失敗したときにわかる・・・その時の態度が大事。
 任せられる人
  ・失敗を素直に認めて反省する人。
  ・失敗こそが進歩の基礎・・・失敗を踏み固めてこそ確実な基礎ができる。
  ・成功や褒められているだけでは足元は危ない。
 覚悟をつくる
  ・相手を追いやること・・・こっちはその倍の覚悟がいる。
  ・没頭するしかない・・・みんなで飯を食って、いっしょに生活すると自然とそうなってくる。
 言葉は誤魔化す
  ・一番邪魔なのは言葉・・・いっしょに暮らして仕事をしていると言葉なんていらない。
  ・大工問というのは紳士・・・いいわけしてはあかん。うそをついてもあかん。行動で示すこと。
  ・言葉を上手に使うと威張るようになる・・・言わなくてもいいことを言い出す・・・腕や仕事を   言葉でかわすようになる・・・誤魔化しが生まれること   になる。
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 「単純馬鹿がいい」
 日本を動かすのは単純馬鹿
  ・単純馬鹿、これがいちばん!
  ・行動する前に考えるようでは絶対あかん・・・行動できなくなる。
  ・行動しながら修正していく・・・修正のしかたがきちっとした人がいちばん。
 まずやってみること
  ・でき上がりまで構図を描いたら、恐くねってやらない。
  ・材料など準備場万端整えると迷わずできるが、自分のためにはならない。・・・小さくなる。
 やってみる最初の度胸のあるやつでないとだめ
  ・複雑にものを考えて準備して、ただきちっとだけしておくことはあんまり力にならない・・・過   去にやってきたことの自身だけだ・・・今まで以上のもの、新しいものはできない。
  ・途中で悩んで、次の一歩
  ・動き、走りながら次のことを考える・・・考え考えしながらやっていくもの。
 だから若い子には掃除をさせる
  ・掃除、片付けをしてたら、動きながら考えることがわかってくる。
 整理整頓は大事
  ・やりながら片付ける・・・頭の中も整理整頓することになり、次のことが考えられる
  ・金も片付いているところに入ってくる

 「芯の仕事」
 曲がった木には曲がった木のよさがある
  ・木工機械が技術をだめにした・・・曲がった木は機械にかからない、面(つら)が通らないから   切り捨て
 芯を決めて計算すれば使える
  ・強くなって、その上味のあるものができる。
 人間にも社会にもいえる
  ・面のいいやつだけ、同じ規格品を集める社会は独創力がなくなる。
  ・芯を見つけ、芯の通った仕事をすることが大事。

 「不揃いがいい」
 千三百年以上経っている法隆寺の部材は一つとして同じものがない
  ・当時は、たて引き鋸や台かんなはなかったので不揃いの部材しか作れなかった。
  ・芯を通して組んでいる。
 不揃いで総持ちがいい
  ・癖や曲がりをうまく使えば、丈夫な建物になる。
  ・曲がりや癖は才能みたいなもの・・・どう生かすかが大工の仕事。
  ・不揃いの仕事は、順序だてて教えられない・・・しかし建物は順序だてて建てるもの。
  ・不揃いに学んでも、最後にはみんなその人の身につけばいい。

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 「質問に答えて」 
 山を守るには
  ・国の「建築基準法」がプレハブ化して間違ってしまった。
   ねじを締めるだけで、本当のことを学ぶ必要がなくなった。
  ・一次産業もだめになった。
 建物の場所
  ・四神(東西南北の神々)相応の場所。
 木の性質
  ・木はかたいものではない。文字や数字で扱おうとするとかたいものになる。
  ・育った気候風土によって違ってくる。 
  ・木とは、ヒノキのことをさした・・・材として200年くらい経ってから強くなる・・・法隆寺   では1,300年もっている・・・ケヤキー500年、スギー800年
  ・法隆寺は、“安定していて動きがある”といわれている・・・柱は礎石の上にのせてあるだけ。
  ・木は生えていた方位のままに使え・・・それを違えると弱くなる 

 これで講演「不揃いの木を組む」の要約を終わる。
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 明日は、小川三夫著「棟梁」(文芸春秋社刊)より「口伝を渡す」から学ぶ。