「不揃いの木を組む」(3)の続き。
昨日の午後、吉川団十郎さんを訪問。講演のこと、小川さんが建てた角田市の「長泉寺」のことを話した。彼は、すばらしい寺があることを知っていた!<emoji code="a006" />
それで、急きょ案内してもらって観て来た。
思わずそのたたずまいに引き込まれた。
「任せるというのは」
任せるということは
・“責任”をとらせることであり、“判断”を下させることである。
・これが人をつぶすことにもなり、伸ばすきっかけにもなる。
・つぶすのは、責任を負わされる時期が悪かったか、器量として無理だったか。任せる側に大きな 責任がある。
・立場が人を作る・・・任せることの効用。その裏づけは“責任”
・無理して任せてはいけない・・・自然な形で。
・任せられる人に気迫と根性がなければ、なかなかできない。
未熟なうちに任せる
・物になるという人には、未熟なときに任せること。そのタイミングを適切に。
・任せたら、余計なことは聞いてはいけないし、しゃべってもいけない。
しゃべったら、言わないでいいことを言うかもしれない。
黙って、機を見て「できたか」と訊けばいい。任せた以上、それでいい。
任せられない人
・学校で教わったことしかできない人。
・他人のせいにして逃げようとするやつ。
・責任というのは失敗したときにわかる・・・その時の態度が大事。
任せられる人
・失敗を素直に認めて反省する人。
・失敗こそが進歩の基礎・・・失敗を踏み固めてこそ確実な基礎ができる。
・成功や褒められているだけでは足元は危ない。
覚悟をつくる
・相手を追いやること・・・こっちはその倍の覚悟がいる。
・没頭するしかない・・・みんなで飯を食って、いっしょに生活すると自然とそうなってくる。
言葉は誤魔化す
・一番邪魔なのは言葉・・・いっしょに暮らして仕事をしていると言葉なんていらない。
・大工問というのは紳士・・・いいわけしてはあかん。うそをついてもあかん。行動で示すこと。
・言葉を上手に使うと威張るようになる・・・言わなくてもいいことを言い出す・・・腕や仕事を 言葉でかわすようになる・・・誤魔化しが生まれること になる。
「単純馬鹿がいい」
日本を動かすのは単純馬鹿
・単純馬鹿、これがいちばん!
・行動する前に考えるようでは絶対あかん・・・行動できなくなる。
・行動しながら修正していく・・・修正のしかたがきちっとした人がいちばん。
まずやってみること
・でき上がりまで構図を描いたら、恐くねってやらない。
・材料など準備場万端整えると迷わずできるが、自分のためにはならない。・・・小さくなる。
やってみる最初の度胸のあるやつでないとだめ
・複雑にものを考えて準備して、ただきちっとだけしておくことはあんまり力にならない・・・過 去にやってきたことの自身だけだ・・・今まで以上のもの、新しいものはできない。
・途中で悩んで、次の一歩
・動き、走りながら次のことを考える・・・考え考えしながらやっていくもの。
だから若い子には掃除をさせる
・掃除、片付けをしてたら、動きながら考えることがわかってくる。
整理整頓は大事
・やりながら片付ける・・・頭の中も整理整頓することになり、次のことが考えられる
・金も片付いているところに入ってくる
「芯の仕事」
曲がった木には曲がった木のよさがある
・木工機械が技術をだめにした・・・曲がった木は機械にかからない、面(つら)が通らないから 切り捨て
芯を決めて計算すれば使える
・強くなって、その上味のあるものができる。
人間にも社会にもいえる
・面のいいやつだけ、同じ規格品を集める社会は独創力がなくなる。
・芯を見つけ、芯の通った仕事をすることが大事。
「不揃いがいい」
千三百年以上経っている法隆寺の部材は一つとして同じものがない
・当時は、たて引き鋸や台かんなはなかったので不揃いの部材しか作れなかった。
・芯を通して組んでいる。
不揃いで総持ちがいい
・癖や曲がりをうまく使えば、丈夫な建物になる。
・曲がりや癖は才能みたいなもの・・・どう生かすかが大工の仕事。
・不揃いの仕事は、順序だてて教えられない・・・しかし建物は順序だてて建てるもの。
・不揃いに学んでも、最後にはみんなその人の身につけばいい。
「質問に答えて」
山を守るには
・国の「建築基準法」がプレハブ化して間違ってしまった。
ねじを締めるだけで、本当のことを学ぶ必要がなくなった。
・一次産業もだめになった。
建物の場所
・四神(東西南北の神々)相応の場所。
木の性質
・木はかたいものではない。文字や数字で扱おうとするとかたいものになる。
・育った気候風土によって違ってくる。
・木とは、ヒノキのことをさした・・・材として200年くらい経ってから強くなる・・・法隆寺 では1,300年もっている・・・ケヤキー500年、スギー800年
・法隆寺は、“安定していて動きがある”といわれている・・・柱は礎石の上にのせてあるだけ。
・木は生えていた方位のままに使え・・・それを違えると弱くなる
これで講演「不揃いの木を組む」の要約を終わる。
明日は、小川三夫著「棟梁」(文芸春秋社刊)より「口伝を渡す」から学ぶ。
昨日の午後、吉川団十郎さんを訪問。講演のこと、小川さんが建てた角田市の「長泉寺」のことを話した。彼は、すばらしい寺があることを知っていた!<emoji code="a006" />
それで、急きょ案内してもらって観て来た。
思わずそのたたずまいに引き込まれた。
「任せるというのは」
任せるということは
・“責任”をとらせることであり、“判断”を下させることである。
・これが人をつぶすことにもなり、伸ばすきっかけにもなる。
・つぶすのは、責任を負わされる時期が悪かったか、器量として無理だったか。任せる側に大きな 責任がある。
・立場が人を作る・・・任せることの効用。その裏づけは“責任”
・無理して任せてはいけない・・・自然な形で。
・任せられる人に気迫と根性がなければ、なかなかできない。
未熟なうちに任せる
・物になるという人には、未熟なときに任せること。そのタイミングを適切に。
・任せたら、余計なことは聞いてはいけないし、しゃべってもいけない。
しゃべったら、言わないでいいことを言うかもしれない。
黙って、機を見て「できたか」と訊けばいい。任せた以上、それでいい。
任せられない人
・学校で教わったことしかできない人。
・他人のせいにして逃げようとするやつ。
・責任というのは失敗したときにわかる・・・その時の態度が大事。
任せられる人
・失敗を素直に認めて反省する人。
・失敗こそが進歩の基礎・・・失敗を踏み固めてこそ確実な基礎ができる。
・成功や褒められているだけでは足元は危ない。
覚悟をつくる
・相手を追いやること・・・こっちはその倍の覚悟がいる。
・没頭するしかない・・・みんなで飯を食って、いっしょに生活すると自然とそうなってくる。
言葉は誤魔化す
・一番邪魔なのは言葉・・・いっしょに暮らして仕事をしていると言葉なんていらない。
・大工問というのは紳士・・・いいわけしてはあかん。うそをついてもあかん。行動で示すこと。
・言葉を上手に使うと威張るようになる・・・言わなくてもいいことを言い出す・・・腕や仕事を 言葉でかわすようになる・・・誤魔化しが生まれること になる。
「単純馬鹿がいい」
日本を動かすのは単純馬鹿
・単純馬鹿、これがいちばん!
・行動する前に考えるようでは絶対あかん・・・行動できなくなる。
・行動しながら修正していく・・・修正のしかたがきちっとした人がいちばん。
まずやってみること
・でき上がりまで構図を描いたら、恐くねってやらない。
・材料など準備場万端整えると迷わずできるが、自分のためにはならない。・・・小さくなる。
やってみる最初の度胸のあるやつでないとだめ
・複雑にものを考えて準備して、ただきちっとだけしておくことはあんまり力にならない・・・過 去にやってきたことの自身だけだ・・・今まで以上のもの、新しいものはできない。
・途中で悩んで、次の一歩
・動き、走りながら次のことを考える・・・考え考えしながらやっていくもの。
だから若い子には掃除をさせる
・掃除、片付けをしてたら、動きながら考えることがわかってくる。
整理整頓は大事
・やりながら片付ける・・・頭の中も整理整頓することになり、次のことが考えられる
・金も片付いているところに入ってくる
「芯の仕事」
曲がった木には曲がった木のよさがある
・木工機械が技術をだめにした・・・曲がった木は機械にかからない、面(つら)が通らないから 切り捨て
芯を決めて計算すれば使える
・強くなって、その上味のあるものができる。
人間にも社会にもいえる
・面のいいやつだけ、同じ規格品を集める社会は独創力がなくなる。
・芯を見つけ、芯の通った仕事をすることが大事。
「不揃いがいい」
千三百年以上経っている法隆寺の部材は一つとして同じものがない
・当時は、たて引き鋸や台かんなはなかったので不揃いの部材しか作れなかった。
・芯を通して組んでいる。
不揃いで総持ちがいい
・癖や曲がりをうまく使えば、丈夫な建物になる。
・曲がりや癖は才能みたいなもの・・・どう生かすかが大工の仕事。
・不揃いの仕事は、順序だてて教えられない・・・しかし建物は順序だてて建てるもの。
・不揃いに学んでも、最後にはみんなその人の身につけばいい。
「質問に答えて」
山を守るには
・国の「建築基準法」がプレハブ化して間違ってしまった。
ねじを締めるだけで、本当のことを学ぶ必要がなくなった。
・一次産業もだめになった。
建物の場所
・四神(東西南北の神々)相応の場所。
木の性質
・木はかたいものではない。文字や数字で扱おうとするとかたいものになる。
・育った気候風土によって違ってくる。
・木とは、ヒノキのことをさした・・・材として200年くらい経ってから強くなる・・・法隆寺 では1,300年もっている・・・ケヤキー500年、スギー800年
・法隆寺は、“安定していて動きがある”といわれている・・・柱は礎石の上にのせてあるだけ。
・木は生えていた方位のままに使え・・・それを違えると弱くなる
これで講演「不揃いの木を組む」の要約を終わる。
明日は、小川三夫著「棟梁」(文芸春秋社刊)より「口伝を渡す」から学ぶ。