MASTER PIECE

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時計じかけのオレンジ

2016年09月20日 01時58分53秒 | 映画



10年ぶりにDVDで観ました。

この作品との出会いは高校2年のとき、高校総体をサボって熊本の電気館という映画館で観ました。
当時から映画雑誌や専門書などで名作とか傑作とか言われていて、すでに伝説化していましたので
映画ファンとしては「ぜひとも観たい!!」って思ってましたね
熊本で上映するって知った時には「千才一隅」のチャンス!!って思いました。
当時観た感想は、「凄いものを観てしまった!!」という驚きと映画っていう娯楽の素晴らしさに感動したものです。

その後はビデオが出たら買って、DVDが出たら買って、一応ハヤカワSF小説も読みました(笑)。

今回見直したのですが、当時思った「近未来の素晴らしいファンタジーだ!!」という感想よりも
ファンタジーの中にあるディティールの細やかなところにリアルさを感じました。
特に思ったのが後半の、刑務所収監のシーンからです。。。
主人公アレックスの収監シーンの細かさ(笑)。。。物語的には必要ないシーンなんだろうけど
この何気も無い手続きのシーン(収監の手続き、治療を承諾する手続き、病院へ送られる手続き)が
より現実感を印象付けている気がする。うーんキユーブリックのセンスは凄いです



このリアルな展開から作品の主張っていうかテーマがはっきりしてきますね。
今まで自由意志で行動していた主人公は自由意志を奪われてしまうということ。
いくら自由意志と言えども麻薬やって強盗やってレイプして殺人してというのダメですが。
善悪の判断は自由意志でしか行えないと言う事だと思う。
もし自由意志で判断出来なければそれは人間と言えるの?ってことなんだろう。

最後はルドビコ心理療法から開放されたような(元に戻った)状態になる主人公ですが
結局は政府の思惑通りに利用されるアレックスの未来は希望なのか絶望なのか・・・かなり気になります。

ラストに「完璧に治ったね!」という主人公のセリフとエンドクレジットの「雨に唄えば」を持ってくる落とし方は
キューブリックの神センスに脱帽です(笑)。

いやぁ~やっぱり観る者の心を揺さぶる映画作品でした。

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