MASTER PIECE

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風が吹くとき

2013年03月28日 22時32分58秒 | 映画



(ストーリー)
イギリスの片田舎、年老いたジムとヒルダの夫婦は、子供も独立し、ゆったりとした平穏な年金生活を送っていた。
ある日、核戦争が近づいている事を知ったジムは、政府が配ったガイドに従って核シェルターを準備し始めるが・・・

1986年制作のイギリスのアニメ作品なのですけど・・・
全体的にとっても切ないです。切ないっていうか徹底的に救われない作品。

まず、ジムもヒルダも核爆弾が落ちたって事がどれだけの事態なのか分かっていない。
ジムは政府のガイドに従ってシェルターを作るのだけれど、どう見たって簡易的なもの。
それが安全に身を守るものとは到底思えない・・・

水道から水が出ない・・・「政府が止めているのだろう」
ガスも電気もきていない・・・「これじゃお茶も飲めないな」
ラジオを聴くことにしよう・・・「おや?電池が切れている」
情報は新聞が来るまで我慢しよう・・・

そして次第に放射能に侵されていく夫婦の描写もかなり辛い・・・

この作品を観て戦争や核の恐怖をメッセージとして表現すには中途半端な表現では駄目なのだろうね。
平和に暮らす夫婦を襲った非日常を、いつもの変わりない日常で描いてあるので
ここまで徹底していると、かなり恐怖感が実感できます。

とても辛くて重いテーマの作品でした。