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パッション

2013年03月22日 18時19分33秒 | 映画



これはなんと言ったらいいんだろうか・・・

映画という娯楽を楽しむ作品では無くて、イエスの受難(パッション)を疑似体験する作品でした。
作品自体にドラマチックやファンタジーの要素を求めるのとは違い
リアリティーを追求してあるので、けして万人が楽しめる作品では無いし、観た人の感じ方でかなり感想が違うと思う。

私は敬虔なクリスチャンではないので、特に受難のシーンは目を背けたり「うぁ!!」「いやぁ!!」って声が出ましたが。
逆にクリスチャンの人は涙を流すだろうし、この作品を観てもっと深くキリスト教を理解できると思う。

いや・・・イエスの教えではないような気がする・・・

もっと根本的なイエスの偉大なる精神とか愛とか・・・人間の原罪とか贖罪とか・・・
言葉にするにはかなり難しい部分です、だから体験して感じる作品なのだろう。
観た人が疑似体験してどう感じるか?・・・メル・ギブソンはその部分を主張したかったのだと思う。

しかし楽しめる作品では無いにせよ、驚くほど良くできた作品です。
悪魔との対峙、ユダの裏切り(密告)から総監ピラトの判断、磔のシーンなど凄く理解しやすい。

ラストはイエスが悪魔(サタン)に打ち勝ったとの解釈でいいのかな。
この映画を理解する上でとても重要なシーンでしたのでもの凄く印象的です。
このシーンを入れる事でイエスの受難の意味が理解できて、じわじわと感動がこみ上げる・・・
もっと感情移入出来る人は泣くでしょうね・・・多分。

蛇足ですけど、私が好きな【マイ・プライベート・アイダホ】に出ていたジム・カヴィーゼルがイエスを演じていたので。
映画ファンとしては不思議な邂逅を感じました・・・

観て損はない作品だと思います。