MASTER PIECE

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ブリキの太鼓

2011年07月21日 00時01分38秒 | 映画


この作品も20代前半に観て衝撃的でした。
主人公のオスカルを演じたダーヴィット・べネントの怪演。
グロテスクな演出の数々。
奇想天外なストーリー。
文学的な反戦のメッセージ。

うーん、ドイツ映画ってこの作品しか知らない・・・

ブリキの太鼓って主人公が持っている子供のおもちゃです。
おもちゃゆえに簡単に壊れてしまう・・・
それを頑なに守ろうとするオスカル。
ブリキの太鼓=オスカルの純真な心。
大人の世界のエゴや思惑、汚い人間の本質を3歳で知ってしまったオスカルは
自分の意思で成長を止めてしまう・・・

これだけのストーリーだったら本当に奇想天外な男の物語なのだが
映画の終盤でみずからブリキの太鼓を捨ててしまい、また成長を始める・・・
この辺のくだりに文学的な要素と希望的な展開が
この映画を映画史に残る名作としている・・・

142分の大作ですが反戦メッセージを強調した作品ではなく
数奇な運命の男の話として観れるので、押し付けがましくなくて
面白い作品として観れるのでお勧めです。