花鳥虫風月

α9とX100Vで、主に京都の花鳥写真で綴る重め写真ブログ。

伏見稲荷大社奉祝記念大祭 小鍛治 白頭

2011年10月10日 20時50分58秒 | 秋冬の風景
お稲荷さんの1300年記念のお祭りでの、金剛のお家元による能、コカジ、小書(特殊演出)はハクトウ。
基本は赤頭で赤ら顔の小飛出の面に紺、金、赤の派手な装束であるが、格の高い舞台のための白頭に大飛出の面、白と金の装束。

 

前シテも少年が老人に変わって、ここは微妙。

筋書は、天才刀鍛冶の三条小鍛冶宗近が神剣をを帝に納めよとの勅を受けてがんばる話。
神剣を作るにあたっての相槌(相棒)を務められる実力者が居ないため困る宗近だが、まず氏神のお稲荷さんに神頼み。
すると怪しい人物が現れ、日本武尊の草薙の剣の話などを引きつつ、神剣は甘いもんやおへんのやと説く。
写真は、話が佳境に入って身振り手振りが入ったところ。



相槌はお稲荷さんである俺直々にやったるさかい斎戒潔斎しときや、と。
事前に知識はあったので、ここでシテとワキを綺麗に収められる席を取るか、他でシテだけ綺麗に撮れる席を取るか考えたが、後者を選んだ。



えらいことになった、とは言わず三条小鍛冶宗近、仕事場に戻って謹上再拝。



俺、降臨。
この瞬間ほど例の掘り出し物レンズを持っていて良かったと思ったことはない。

  

「ここまでは出来てますので、これを鍛えます」「ウン、ええんでないの」
トンテンカン、ちょう、ちょう。

 

「出来ました」「ええ汗かいた」
「作者銘に小鍛治宗近と打つ」「俺は“小狐”で」



「“小狐丸”、会心の出来」


そういう話。
大飛出の顔は本当に邪気がなくて、好きだ。

ちょっと今までなかった眼福であった。

伏見稲荷大社奉祝記念大祭 萩大名

2011年10月09日 21時52分57秒 | 秋冬の風景
お稲荷さんの1300年記念のお祭り、昨晩の舞楽が大変良かったので、今晩のお能も拝見に。
無料で写真もご勝手の舞台はどんなんかと思っていたが、神歌の謡に始まって狂言と能を一番ずつ、という豪華プログラム、さすがのお稲荷さんである。
たくさん写真を撮れたので、今日はお狂言の方から。

秋らしく、曲目は萩大名。シテの大名は茂山千五郎さん。
若手がシテだと馬鹿なボンボン大名、ベテランだと大田舎の大名のイメージで、個人的には前者の方が毒が薄くて好きだが。



どこかへ遊びに行きたいバカ大名、太郎冠者と相談して萩の花が見事なお庭に行くことにするが、案の定のボンクラ三昧を晒す、という噺。



勝手に写真を撮ってものに載せたりするのは、基本、いや発展でも応用でもNGに決まっているが、お祭りの演し物の場合は法的にはOKのはず。
写真撮りにこんなに面白いものはなかなか他には無い。



どつき漫才のノリもあり。

狂言、特に茂山一家のはわかりやすく表情豊かなので、ものすごく絵になる。
東京の家のはもうちょっと古典芸術っぽい。例えば「佐渡狐」のオチの(知らない)狐の鳴き声を原本通り「東天紅。」とやるか「コケコッコー」と今風にやるかの違い。





メインイベントの小鍛治の能は明日の更新で。

伏見稲荷大社奉祝記念大祭 蘭陵王・抜頭

2011年10月08日 23時17分03秒 | 秋冬の風景
お稲荷さんの1300年記念のお祭りが今日からの3連休にあわせて執り行われるようで。
そういえば、ウチはお稲荷さんの氏子だったかしらん、と、そういうことには曖昧であるのだが、写真のようなことには俄然食指が動く。
今晩には稲荷雅楽会さんの舞楽があったので、それだけ拝見してきたというエントリー。

 

定番のラリョウオウも、夜の照明の下では趣が変わって良い感じ。
シャッタースピードを上げきれない場も、また良し。



左舞、中国の蘭陵王に対する今回の右舞は、インドのパドウ王に題材を取ったバトウの舞。
異国情緒あふれるというより、ただの鬼の顔のようで、陵王の怖い顔にも舞の所作に比べても、こちらは陰の気が強い。

 


かなり前
に平安雅楽会さんのも見たが、比べると面の雰囲気がかなり違うのと、いちおう私の写真の上達の跡もなきにしもあらぬか。

明日は小鍛治のお稲荷さんの能を金剛さんのお家元がやらはるらしく、今日のように撮影フリーであると嬉しいので、行く。
さてどうだろうか。

野鶲 7

2011年10月07日 23時44分05秒 | 
春・秋の渡りの鶲の、黄鶲や鮫鶲は見たいからといってそうそう見られないものだが、秋のノビタキは居そうなところに割とよく居る。
尉・黄・瑠璃の鶲の美しさはないので、見られたからといって嬉しさもほどほどのものであっても、これもまた季節のものだ。



杭の上が好きなのは鶲に共通の癖で、ここから餌の虫めがけて飛び降りて、すぐ元の位置に戻るパターンが写真の狙い目。

椋鳥 8

2011年10月06日 22時53分15秒 | 
物量勝負のムクドリ。
特に綺麗な鳥でもないので、撮り方は適当になる。
量感が写れば良いわけだが、これくらいは小手調べな量であるのがムクドリである。

 

もうちょっと大きめに写すにも、ピントは曖昧でどれかが写るだろうから良いや、という感じ。
で、まぁ、悪くない感じの写真がこちら。

こういう鳥にも赤や青の色があれば良いのに、なぜこうも地味なのか。

亜麻鷺 3

2011年10月05日 23時44分15秒 | 
亜麻色の鷺から白鷺に更新途中のアマサギ。
休耕田の枯れた藪の中で普通に目立っているが、特に問題はない。



一斉に飛び立つのはさすがに派手な風景だが、画面右のダイサギに比べると小さなアマサギは見劣りする。
可愛らしげな、と言い換えれば上手く言い繕ったというものだろうか。

彼岸花 17

2011年10月04日 21時49分33秒 | 秋冬の花
彼岸過ぎのヒガンバナ。



花写真にはもちろん良いが、花がある風景写真にも、非常に趣深い。
寄って見ると傷んだ花も多い時期には、なおさらに。



赤色は目で見る印象より明るく撮れるので、全体に暗めに撮る方が良い色が出る。
背景が暗いと花が浮かんだようになり、こういうのも面白い。

※未同定※

2011年10月03日 21時48分55秒 | 蝶・蛾
どうも、種類がわからないので、とりあえずわからないままに。
アオシャク蛾の類に似ているが、大きさが小さめのアゲハくらいにはあったので、大体もっと小さいアオシャクの仲間に当てはまらない。



蝶と蛾の違いのひとつに、こういう薄青や緑系ベタの色なのは蛾だけで、蝶の青色は光沢の群青系で、薄青なら斑模様の一部だということがあり、考えてみれば意外だ。
その意味では、これらの薄青緑の蛾はずいぶん好ましく思える。

青筋揚羽蝶 15

2011年10月02日 20時38分39秒 | 蝶・蛾
背景は殺風景だが、連れ立って飛ぶアオスジアゲハ。
周りに色がなくても単体で綺麗な蝶もあるが、これは案外にそうではない。
赤か黄色系の色がどこかに一点あれば、蝶も華やいで見えただろうが。



その地味な背景は、ここ。
このあと、停まった蝶を落ち着いて撮ろうとしたところ、手を出して逃がしてしまったのはこの猫。
まあ、諸々仕方ない。