五味川純平の「人間の條件〈第一部~第六部〉」を読んだ。
なんでも当時1.300万部を超えるベストセラーだったとか。
読みやすく、主人公とともに歩み生きているような感覚で読めた。
戦争という極限状況で、どこまでが人間でありえて、
どこからが人間以下(?)となってしまうのか。
誰もが戦争下では、人間性を失ってしまう。人間でなくなってしまう。
そんな戦争の愚かさがわかる一冊だ。
主人公の梶は、招集免除という条件で、
満州の鉱山で中国人たちの労務管理をする仕事に就く。
現場では中国人に対して理不尽なことが数多く行われるなか、
ヒューマニストとまわりからみられている梶が
ひとり正義を貫こうとするが、組織の中で正義を貫き通すことは厳しい。
そして、中国人たちの逃亡に加担したとして、
招集免除は反故にされ軍隊へ招集されていく。
軍隊では、初等兵としていじめられ、しごきを受け
白いものも、上官が黒といえば黒となる不条理な世界で生きていく。
途中、演習中などに仲間が逃走したり自殺したりする。
やがてソ連国境からソ連軍が攻撃を開始し、部隊は全滅するも
梶をはじめとする数人は、敗残兵として南満州をめざして逃走する。
その途中では、梶も生きていくために、殺人などさまざまなことをしてしまう。
そして、ソ連軍の捕虜となり使役につくも、
かつて妻美千子と暮らした鉱山の町へ、
妻が待っているだろうという思いだけで逃走をする。
帰巣本能ならぬ帰妻本能か。
死が間近にせまったとき、
その先に愛する人が待っているということだけで、
人間はなお生きていける力をもらえる。
最後の解説には、梶が教えているのは
「ほんのちょっとした勇気をもつ」ことだとある。
これはおかしい、どこか変だと思った時、
すぐに行動に移すことは、とてもむずかしい。
長いものに巻かれることが、ときにラクなこともある。
しかし、そこで勇気を持って一言発する、
行動を起こすことが、少しでも大切なのかもしれない。
これは、戦時下でも、平和な現代でも、同じことなんだと思った。
上海リル/川畑文子
http://www.youtube.com/watch?v=tg17u_l9gY8
なんでも当時1.300万部を超えるベストセラーだったとか。
読みやすく、主人公とともに歩み生きているような感覚で読めた。
戦争という極限状況で、どこまでが人間でありえて、
どこからが人間以下(?)となってしまうのか。
誰もが戦争下では、人間性を失ってしまう。人間でなくなってしまう。
そんな戦争の愚かさがわかる一冊だ。
主人公の梶は、招集免除という条件で、
満州の鉱山で中国人たちの労務管理をする仕事に就く。
現場では中国人に対して理不尽なことが数多く行われるなか、
ヒューマニストとまわりからみられている梶が
ひとり正義を貫こうとするが、組織の中で正義を貫き通すことは厳しい。
そして、中国人たちの逃亡に加担したとして、
招集免除は反故にされ軍隊へ招集されていく。
軍隊では、初等兵としていじめられ、しごきを受け
白いものも、上官が黒といえば黒となる不条理な世界で生きていく。
途中、演習中などに仲間が逃走したり自殺したりする。
やがてソ連国境からソ連軍が攻撃を開始し、部隊は全滅するも
梶をはじめとする数人は、敗残兵として南満州をめざして逃走する。
その途中では、梶も生きていくために、殺人などさまざまなことをしてしまう。
そして、ソ連軍の捕虜となり使役につくも、
かつて妻美千子と暮らした鉱山の町へ、
妻が待っているだろうという思いだけで逃走をする。
帰巣本能ならぬ帰妻本能か。
死が間近にせまったとき、
その先に愛する人が待っているということだけで、
人間はなお生きていける力をもらえる。
最後の解説には、梶が教えているのは
「ほんのちょっとした勇気をもつ」ことだとある。
これはおかしい、どこか変だと思った時、
すぐに行動に移すことは、とてもむずかしい。
長いものに巻かれることが、ときにラクなこともある。
しかし、そこで勇気を持って一言発する、
行動を起こすことが、少しでも大切なのかもしれない。
これは、戦時下でも、平和な現代でも、同じことなんだと思った。
上海リル/川畑文子
http://www.youtube.com/watch?v=tg17u_l9gY8