俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

枇杷の花

2023-11-25 | 俳句・冬・植物

 

 

菜園に猫車あり枇杷の花

 

 

 

 

 

 

バラ科の常緑高木。

関東以西に自生するが、主に暖地で果樹として栽培される。

 

 

 

 

 

 

十一~十二月、枝先に円錐花序をなして白色五弁の芳香のある小花を群がりつける。

 

 

 

 

 

 

花は地味でひっそりとしていて、冬の静かな景によく似合っている。

 

 

 

 

 

 

菜園に猫車が置いてあり、人影はなかった。

近くで枇杷の花が静かに咲いていた。

 

 

 

 

 

一生のうちの刹那や枇杷の花

 

 

 

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石蕗(つわ)の花

2023-11-24 | 俳句・冬・植物

 

 

早翳りたる一隅や石蕗の花

 

 

 

 

 

 

キク科の常緑多年草。

暖地の海岸などに自生するが、庭や庭園などに植栽もされる。

 

 

 

 

 

 

葉は蕗に似て厚く、深緑色で光沢がある。

 

 

 

 

 

 

初冬に長い花茎を伸ばし、菊に似た黄色い頭状花を散房状につける。

 

 

 

 

 

 

冬は日がすぐに回りやすい。

家の影になった一隅に石蕗の花が咲いていた。

 

 

 

 

 

石蕗咲くや盆栽園に開かずの門

 

 

 

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冬薔薇

2023-11-23 | 俳句・冬・植物

 

 

川に沿ふ畑のフェンスや冬薔薇(ふゆさうび)

 

 

 

 

 

 

冬になっても花をつけている薔薇をいう。

 

 

 

 

 

 

暖地では十二月中旬頃まで咲き続ける。

 

 

 

 

 

 

冬枯れのなか、健気に咲いている様子は美しい。

本来華麗な花だけに、哀れでもある。

 

 

 

 

 

 

川に沿って畑のフェンスがあり、そこに冬薔薇が咲いていた。

それがことのほか美しかった。

 

 

 

 

 

冬薔薇やウクライナ語の動画見て

 

 

 

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小春

2023-11-22 | 俳句・冬・時候

 

 

空色の川を覗ける小春かな

 

 

 

 

 

 

小春、小六月ともに旧暦十月の異称。

 

 

 

 

 

 

小春日、小春日和は、立冬を過ぎてからの春のように暖かく穏やかな日和のことをいう。

 

 

 

 

 

 

「小春風」「小春凪」「小春空」などとも用いられる。

『徒然草』に「十月は小春の天気」という一節があることから、中世以来用いられてきた言葉と考えられる。

 

 

 

 

 

 

橋の上から川を覗くと空色をしていた。

暖かく穏やかで、正に小春であった。

 

 

 

 

 

昼月の下を旅客機小六月

 

 

 

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綿虫

2023-11-21 | 俳句・冬・動物

 

 

綿虫の顔に真つ直ぐ飛んできぬ

 

 

 

 

 

 

アブラムシ科のうち、綿油虫類の総称。

体長三~四ミリ。

 

 

 

 

 

 

晩秋から初冬にかけて、白い綿のような分泌物をつけて、ゆるやかに浮遊する。

「大綿」「雪蛍」「雪婆(ゆきばんば)」「雪虫」などとも呼ばれる。

 

 

 

 

 

 

<綿虫やそこは屍の出でゆく門 石田波郷>

<いつも来る綿虫のころ深大寺 同>

十一月二十一日は石田波郷の忌日。

いつもこの頃に綿虫が飛んでいる。

 

 

 

 

 

 

川堤を歩いていると、前方から綿虫が真っ直ぐに顔を目がけて飛んできた。

だが、あっという間に消えてしまった。

 

 

 

 

 

夕日差すなか美しや雪蛍

 

 

 

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